2017年10月30日月曜日

質の悪いドタバタ喜劇

 選挙後のドタバタ喜劇があまりにも酷い。

 一つは民進党。前原代表の本音がどこにあったのか、こればかりはご本人が本音を語らないので解りようもないが、自分たちで希望の党への合流を決めておいて、希望の党が選挙に負けたらその「方針が間違っていた。」と前原代表一人に責任を押し付けるかのような周辺議員の反応を見て、「それは違うでしょう。」と言いたいですね。自分たちも参加した両院議員総会で意思統一した話なんでしょう。だとすれば、その決定には、自分たちの責任も生じるでしょう。あなた方も、小池さんが立ち上げた希望の党に、政権をうかがうような勢いを感じて、希望の党から立候補したら当選できてしかも政権与党になれるかもしれないと勘違いしたんですよね。
 だけど、よく考えてください。政党には政党としての主義主張があります。それが綱領だったり、理念だったり、政策だったり、選挙公約(マニフェスト)だったりという形で明らかにされているわけですが、そこに一致できない人を受け入れれられない(小池さんが「排除」という言葉を使ったのが云々と批判されていますが…)というのは、政党として当然の事ではないんですか。私は、小池さんが全員員受け入れる事はできないと言ったのは必然だと思いました。
 希望の党が候補者探しをしている今なら、入れてくれと言えば入れてくれるのではないかと勘違いしたのは、一番最初に言い出した柚木某だったり、それを受け入れて両院議員総会に提案した執行部だったり、さらにそれを了承した衆参両院の民進党の議員の皆さんです。総選挙の度に所属政党が変わるという政治家としての根っこのない人たちが、自分たちの根無し草の境遇を恥じる事なく、落選した責任を前原さんや小池さんに求めるのはあまりにもさもしい姿で見ていられないというのが私の率直なところです。そのドタバタ劇は、まるで喜劇を見ているようで可笑しくて仕方ないです。しかも、その喜劇の質があまりにも低い文化水準なので、それを取り上げるマスコミも、もっと政治家のあり方がどうなのかというような本質に迫る問題提起をすれば良いのにと思うけれど、みように真剣な顔でドタバタ劇を追いかけているので、マスコミのレベルも文句云ってる民進党議員と同じようなものなのだろうと思う。

 そして、希望の党の小池代表批判。「政治は結果責任」というの違うと思うんですよ。結果に対して責任がついてくるのはどの世界でも当然のことですが、政治のめざすべきところは、選挙で当選したかどうかが大事なのではなく、国民の安全・安心・平和をどう守るのかが政治家が一番大事にしなければならない事なんです。それを忘れてしまったかのような責任のなすり合いが実に見苦しいけれど、マスコミもその見苦しい争いにつきあって、柚木議員を登場させて「小池さんは立候補するべきだった」とか、誰が悪い、誰が犠牲になった云々とやっているわけですから同じ穴の狢なんでしょう。
 私は、政党の代表が国会議員でなければならないとは思いませんし、 政党の代表が内閣総理大臣とならなければいけないとも思いません。政党の代表はつとまっても、内閣総理大臣はできない人がいても不思議はないですよね。人には向き不向きというのがありますから。国会議員がその辺りをふまえて、真面目に内閣総理大臣を選ぶ事ができるようになるといいけどね。
 マスコミの興味のあるところは、「ポスト安倍の最右翼は小泉某云々」、「いやいや石破某だ」、「野党分裂状態をもう一度再編して、与党に対抗できる野党結集を図ることが必要だ」、「野党第一党が立憲民主党となり、国会内の部屋割りが…」等、いずれも国民のためにどんな政治をやっていくのかということよりも、国会の勢力争いばかり。

 チャップリンの名言を思い出す。「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇である。」…渦中の国会議員は自分に訪れた悲劇を嘆いているのかもしれないが、その悲劇が上演されている国会劇場を、見たくもないのに観客席から見る事を強制されている国民には、質の悪いドタバタ喜劇にしか見えていないことを、国会議員もマスコミも知るべきだと思う。

2017年10月23日月曜日

文化としての日本酒とまちづくり

 昔、一村一蔵といわれるほど酒造場はたくさんあった。今のように、流通が発達していないし、冷蔵庫のない時代には長期保存にも限界があった。だから、暮らしの近くに酒造場が作られることになったのだろう。
 それに、何といっても、日本人は古くから酒を飲む習慣があったことが酒造場がたくさん作られた最大の理由かもしれない。例えば、1世紀のころに書かれた中国の思想書『論衡』には、日本人が黒黍で醸した酒に薬草を漬け込んだ薬酒(さしずめ養命酒のルーツのようなものだろうか)を周の成王に献じたという記述があるという。また、中国の歴史書で3世紀ころに書かれた『魏志倭人伝』には日本の習俗を伝える記述があり、「倭人好みて酒を飲む」と日本人に酒を飲む習慣があること、喪にあたっては弔問客が「歌舞飲酒」の風習があることなどが書かれている。今でも、さすがに歌舞はないけれど、弔問客が一緒に酒を飲みながら故人を偲ぶという習慣は残っている。それくらい日本酒は日本人の暮らしに馴染みのものなのだ。
 第二次世界大戦で、灘の酒蔵に大きな被害が出て、実に95%が焼失した。にもかかわらず、戦争が終わって10万人を超える満蒙開拓移民の引き揚げ、国外に出兵していた兵士の帰還、何よりも荒廃したとはいえ平和な世の中になって酒を飲む需要が増える一方だった。酒蔵の戦争被害や農地の荒廃で米も不足し、日本酒の生産が追い付かず、1949年から醸造用糖類,アミノ酸,有機酸を加えた調味アルコールのもろみへの添加が始まる。これにより米だけでつくった純米酒の3倍の増産が可能となり,これを増醸法,三増法と呼んだ。こうして、戦前はすべて純米酒だったのに戦後の三増酒の時代が始まる。純米酒のうまさに比べれば不味いのは当然だが、とにかく酒ならばよしとされ、これが売れたのである。コメの生産が追いつき、酒蔵の再建ができた後も、この増醸法が酒造りの中心の時代が続いた。増醸法が採用され続けた理由は原価が低く抑えられ、利益が良かったからに他ならないわけだが、それが日本酒に苦難を与えることになった。
 高度経済成長期を経てワインやウイスキー、ビールに焼酎など様々な酒が国内外から一般家庭にも届くようになると、三増酒の不味い酒を飲まなくても美味い酒、飲みやすい酒が手に入るようになって一気に日本酒離れが進むことになったのだ。その後さまざまな努力が始まって、日本酒の酒質は年々上がっており毎年旨くなっているが、それでも居酒屋では「とりあえずビール!」なのであって、日本酒の消費量は大きく回復するということにはなっていない。その中で蔵がどんどん無くなっていったのだ。今や実際に酒を仕込んでいる蔵は1,000前後ではないかと思われる。
 和食が世界遺産になり、日本酒も再評価されるつあるが、今や、「日本の文化として残していかなければならない。」などと声高に主張しないと守れない状況にある。

 だから、私は日本酒を愛飲している!ということでもないのだけれど、日本酒が一番性に合っているようで、日本酒だとあまり二日酔いにならない。酒肴をつつきながら朋と酒を酌み交わす。そして、酒の師匠が『ときを呑む』というのを真似て最近私も使っているのだけれど、他愛のないことから人生の悲喜こもごもまで語り合うその時間が何と幸せなことか。今日のストレスを和らげ、明日の生きる糧となること間違いない。
 私が、人の暮らしと日本酒のある風景を大切にしたいと考えるようになったのはそんなことからなのだが、これからのまちづくりを考えるときに、日本酒が一つのキーワードになるのではないかと思っているのだ。一方で、介護が必要になっても住み慣れた地域で暮らし続けることができる町をつくる課題に立ち向かいつつ、もう一方で、日本酒を呑む場を含む日本酒のある暮らしができるまちづくりというようなことを考えている。

 前置きが長くなったけど、昨日は、三冠酒造を訪ねてきた。春に由加神社の境内に瓶に仕込んだ三冠酒造の酒を地中に埋め、地中で熟成させてきたのを掘り出す神事を由加神社で執り行い、その帰りに足を延ばして三冠酒造に行ってきたのだ。
 七代目の前畠眞澄君に案内してもらって、蔵を見せていただいた時に撮ったのが下の写真たちだ。小さな蔵で酒造50石というから一升瓶で5千本という酒造量ということになる。何となく年商がどれくらいか計算できるわけだけれどこれで食べていくのはそう楽ではないことだけは間違いない。七代目は「300石をめざして頑張っている」とのことで、早く実現すると良いね。
 あさひ米の純米吟醸、雄町の純米吟醸、本醸造酒の3種類を利き酒させていただきながら、-7度の冷凍庫に火入れせずに保存していること、蔵のクセ(と七代目)で酸度が高くなること、等の話を聞き、-7度で保存することの必要性や、酸度の高いお酒の美味しい飲み方など日本酒にまつわるあれやこれや語り合いながらの唎酒はとても楽しい時間となったのでした。

蔵の玄関を入ったところにあるショーケース


木製の甑と釜
甑の上を見あえげると木製の大きな滑車が残っています



麹室
DIYで七代目が整備したとのこと

酒造タンク

薮田式の搾り機
この小さいサイズの搾り機は初めて見ました。

唎酒させていただいた三種類


創業は文化3年(1806年)
創業211年になる歴史のある蔵元です。

選挙結果

 選挙区ごとに、岡山県内の選挙結果を見ておきたい。

 一区は自民党の逢沢一郎さんが強かった。共産党、市民共闘の代表として闘った立憲民主党の高井崇志さんは、56千票余りを獲得し健闘したけれど、小選挙区では当選できず比例代表で当選した。岡山県議会の中でも良識派ということで人気のある元県議の蜂谷弘美さんは、小池代表の希望の党からの立候補となったが、希望の党の失速のあおりを受けて得票を伸ばせなかったように見える。逢沢さんは県内ゼネコンの中核を占めるアイサワ工業の現在の社長・逢沢寛人氏の従姉妹にあたり、逢沢グループの強固な地盤を持っている。その盤石の備えを崩すことができなかったことが野党陣営の敗因だ。
 一区は、自民党対市民の共闘ということで、私が、岡山県内で一番注目していた選挙区だったのだが、結果は、46.0%の投票率で、有権者の半数にも満たない人しか投票に参加しなかった。投票に参加しなかった人の意見を聞いてみたいと思っているが、逢沢一郎さんの11回連続当選という『強さ』に加え、事前の自公優勢というマスコミ報道を見て、行っても変わらないという諦観が広がったことが低投票率につながっているとみている。もう一つ指摘するとすれば、共産党が立候補を見送って市民共闘の統一候補となった高井崇志さん自身の問題もあったのではないか。
 彼は、江田五月さんの秘書から、2007年の参議院選挙で民主党の公認をもらったにもかかわらず、辞退して岡山市長選挙に立候補して落選。いったん民主党を離れ、2009年の衆議院選挙で候補者の公募に合格して再び民主党に入党、選挙区では逢沢さんに敗れるも比例で復活当選した。次の2012年の衆議院議員選挙で民主党から立候補して落選、再び民主党を離れ2014年の衆議院議員選挙では維新の党の公認で出馬し、比例で復活当選した。2016年3月維新の党が民主党と合流し民進党ができたことで、民進党の議員となっていたが、民進党・前原代表の希望の党への押しかけ合流方針で、2017年10月に希望の党に公認申請したが蜂谷さんが公認され、政策もあわないということで立憲民主党からの立候補となった。
 高井さんは軸がぶれまくっている。民主党を出たり入ったり、落選したら維新の党へ行き、小池旋風に乗って当選しようと希望の党に公認申請したが政策が合わないと「排除」され、立憲民主党から立候補するという経過を見ていると信頼性が揺らぐ。そこが市民の共闘・立憲民主党の追い風・共産党の基礎票をもらいながらも得票を伸ばせなかった原因ではないのか。高井さんは、当選確定後のインタビューに答えて「小選挙区で勝たなければ」と発言していたが、安倍政権を許すのかどうかの選挙だったとすれば、まさにその通りだったんですよ。
 普段の活動を通じて市民の統一候補を選ぶことができていたら、もう少し違った選挙になったのではないかと思いますよ。それができなかったことがこの結果につながったと思いますね。

岡山一区 得票数 相対得票率 絶対得票率
逢沢一郎 87,272 52.7% 24.2%
高井崇志 56,757 34.3% 15.8%
蜂谷弘美 21,551 13.0% 6.0%
165,580 有権者数 359,920


 岡山二区は、投票率48.8%で一区同様投票率が過半数を下回った。二区では、憲法改正(改悪)に反対は、共産党の垣内京美さんだけで、他の3人はいずれも改憲勢力という構図になっていて、憲法改正の是非を問うということを争点にした選挙戦に持ち込めるかどうかが鍵だった。私も垣内さんの候補者カーでアナウンサーをさせていただいたが、もっと憲法問題での立場の違いを鮮明にしきれなかったかと残念に思っている。
 あとは、津村さんですね。「リベラリストでありたい」、「古い政治のリセット」、「旧来のしがらみを脱した政治」を目指すなどと公約に掲げているが、利権まみれの原発再稼働を容認し、国内消費が冷え込んでいる状態の中で消費税10%増税を主張していますが、その一方で法人税率の引き下げが行われ、結局、消費税率の引き上げが税収を増やすことになっていないことについては見て見ぬふりでは、古い政治(保守党)の体質そのままだと批判されても仕方ない。こうなると自民党の山下さんとの違いがわからない主張になってしまって、現職有利で小選挙区では敗退、比例で復活するということになった。
 二区では、山下貴司さんが安定した強さを持っている。父親の山下一盛氏が山下一盛法律事務所を開業、現在は、おかやま番町法律事務所を開設して法務全般に対応する弁護士事務所として存在感を示しており、山下さんはその長男として生まれ父親同様東大法学部から検事となった。そして2012年の衆議院議員選挙で自民党から出馬、現職の津村啓介さんを破って初当選している。今回の選挙で勝って、これで津村さんには3連勝となったが、私は山下さんとはほとんど縁がなく、強さの秘密がどこにあるのか未だによくわからないというのが正直なところ。
 とはいえ、山下さんも絶対得票率は24.9%にすぎず、全有権者の4人に一人の支持で当選しているに過ぎない。ここに一人を選ぶ小選挙区の、民意を反映できないという性質が良く表れていると思う。

岡山二区 得票数 相対得票率 絶対得票率
山下貴司 73,150 51.1% 24.9%
津村啓介 54,591 38.2% 18.6%
垣内京美 13,518 9.4% 4.6%
田部雄治 1,793 1.3% 0.6%
143,052 有権者数 293,432

 岡山三区は、県内では最も投票率が高く54.1%だったが、それでもやっと過半数を超えたくらいの投票率にすぎない。当選した阿部さんは相対得票率で38.9%、絶対得票率では21.1%の得票で当選した。次点の平沼正二郎氏は、平沼赳夫氏の引退にともなって父の跡を継いで立候補した。平沼赳夫氏の地盤を引き継げば、当然、息子の正二郎氏が当選するのだろうと思っていたら、阿部俊子さんに競り負けた格好になった。阿部さんは当選後のインタビューで「返済しなくても良い奨学金」、「中間産地の声を国会に届ける」等と発言、そこだけ聞いていたら共産党の主張かと思うくらいだが、そういう「政治は国民のもの」という阿部さんの政治へのスタンスが評価された。当選したからには、その言葉通りに頑張っていただきたい。三区が他の選挙区と比べて投票率が高かったのは、阿部さん、平沼さんが競い合った結果だと思われる。
 共産党は尾崎宏子さんを擁立して選挙戦を闘ったが、もともと平沼赳夫さんという圧倒的に強い方いて、その地盤を切りくず闘いはできなかった。やっぱり、名前を知ってもらうことや地盤を築いていくためには、選挙前に準備するのではなくて、早速今日からでも次の衆議院選挙に向けて、地道な政治活動・地域活動をスタートするべきだと思う。そういう努力なしには強い保守の地盤を切り崩して野党が小選挙区で勝つのは困難だよね。

岡山三区 得票数 相対得票率 絶対得票率
阿部俊子 59,488 38.9% 21.1%
平沼正二郎 55,947 36.6% 19.8%
尾崎宏子 15,424 10.1% 5.5%
内山晃 21,970 14.4% 7.8%
152,829 有権者数 282,569

 岡山四区は、投票率は県内で2番目に低い47.1%。小選挙区で橋本岳さんを破って当選したこともある柚木道義さんと、橋本龍太郎さんの息子の橋本岳さんという強い二人がいて、この二人を破って当選できる人を担ぎ出すのが厳しく、ほぼ一騎打ちという状況が続いている。三区のようにもっと競り合えば投票率も上がったのだろうが、柚木さんが自民党に近い希望の党に行ったため、どっちでも同じようなもんだという空気が広がったのではないかとみている。
 柚木氏は民進党が希望の党への押しかけ合流を決める前日に前原代表に「衆院選で希望の党を含めた野党連携を進めるため、発展的解党と新党設立も視野」に入れるよう申し入れた経緯もあり民進党解党の立役者の一人といっても良い。柚木氏の政治家としての立ち位置も何だかふらついているように見える。集団的自衛権に反対していたため、2015年の安保法の衆院採決の際に玉木雄一郎氏、辻元清美氏、大串博志氏、宮崎岳志氏、泉健太氏らとプラカードを掲げて猛反対する姿が印象的だったが、希望の党から立候補した。そのため、当選するためなら主義主張を変える人・・・そんな風に見られてしまったのではないか。だから負けた。そういうことだね。もっとも、柚木氏の父親は元自衛官で、弟も自衛隊にいるということなので、もともと憲法9条改憲派で本音で希望の党に参加したのかもしれないけど、その辺りの事情は本人に聞いてみないとわからない。

岡山四区 得票数 相対得票率 絶対得票率
橋本岳 93,172 51.9% 24.5%
柚木道義 72,280 40.3% 19.0%
平林明成 13,907 7.8% 3.7%
179,359 有権者数 380,688

 岡山五区は、投票率51.4%で、圧倒的に加藤勝信さんが強かった。加藤さんが現職の大臣だし、樽井氏は岡山三区で立候補し平沼赳夫さんに大差で敗れ、大阪16区で公明党の北側一雄さんに敗れたが比例で復活当選、次の選挙で大阪16区で敗れ、唐突に渋谷区長選に立候補して敗れる等の経験をして今回岡山5区に立候補した人だ。この方も、こんなにあちらこちらとふらふらしていたのでは当選は難しい。
 加藤さんは相対得票率で70%を超える票を集め、絶対得票率でも36.6%かなり高い得票を集めた。加藤六月さんの娘婿で、六月さんの地盤・看板・鞄を引き継ぎ、三拍子そろったその底力はさすがといえる。
 5の小選挙区のすべて自民党という結果に終わって、もちろん選挙制度の問題があるにしろ、あらためて自民党という政党の懐の深さを思い知ることになった。今の選挙制度に問題があることは間違いないけれど、その選挙制度を変えようとしたら、今の、小選挙区で勝たなければならないわけだ。その力を野党と市民の共闘で全国に作り出さなければ、本当に政治を変えるということにはならない。さあ、今日からまた『次』に向けて取り組みを始めよう。

岡山五区 得票数 相対得票率 絶対得票率
加藤勝信 100,708 71.3% 36.6%
樽井良和 26,901 19.0% 9.8%
美見芳明 13,649 9.7% 5.0%
141,258 有権者数 275,016

選挙結果について ~感想的に

 憲法改正が重要な争点の一つだった選挙で、憲法を改正(改悪)しようという勢力が、憲法改正を発議できる三分の二以上の議席を確保することになってしまったことがとても悔しいです。

 2014年の総選挙でも、全有権者の約25%の得票で290議席(解散前)を占めているわけですが、今回は全有権者に対する得票率では、さらに下がったのだろうと想像されるんですが、それにもかかわらず、単独で安定多数を占めることになったわけですね。この仕組みを変えないといかんですよ。

 何度か書いてますが、小選挙区制という一人を選ぶ選挙で、当選者以外の候補者に投票した票が、すべて死に票になってしまうという、政権党にとって都合のいい選挙制度が最大の問題点です。もちろん、この選挙制度を作ったのは自民党ですが、自分の都合のいい選挙制度をつくり、その恩恵にあずかって、せいぜい全有権者の四人に一人くらいの支持で、解散前とほとんど変わらない議席を獲得してしまうという、まさに自民党の思惑通りの選挙をやっているわけです。

 この選挙にあたって、いろんな人と話をしていますが、「死に票になるのは嫌なので、自民党には投票できないけど、それ以外で可能性のある人に投票する。」とか、「どうせ結果が決まっているのなら(新聞にそう書いてあった)、私が投票に行かなくても・・・。」とか、「抗議の白票を投じる」、「大義ない解散に抗議の棄権」など、いろんな声を聴きました。やっぱり、民意を反映しない選挙制度が間違っているんですよ。

 朝日新聞DIGITALは選挙速報で、「低い投票率、民意と隔たり 批判の棄権、結果に影響なし」という記事を掲載しました。民意と隔たる選挙結果であることを認識しているなら、もう一歩踏み込んで、小選挙区制で良いのかという問題提起をしてほしいと思うんです。それこそがマスコミの果たすべき役割だと思うんです。

 希望の党の華々しいデビューとその後の失速、その一方、急ごしらえでしたが立憲民主党のわかりやすさ、それが際立つ選挙でした。結果として希望の党は改選議席を大きく減らし、立憲民主党が3倍以上に増やしました。それは良かったんですが、共産党が議席を減らしたのは残念でした。市民との共闘を訴え、よく闘ったと思いますが、野党と市民の統一候補として立憲民主党をかついだ選挙区がかなりあって、共産党的には、もう少し整理することが必要だったように思います。

 公明党が議席を減らしそうです。これまで基本的に全員当選してきたので、公明党的にはこれは事件かもしれません。組織内に批判があることをどう受け止め、修正するのかが課題になりますね。維新の会も議席を減らしそうですが、希望の党との差が見えにくく、ここは希望の党に流れたのでしょうか。いっそ、一緒になってしまった方がよかったのかもしれませんね。

 いずれにしても、私的には、敗北感を感じる結果となりました。でもね、諦めているわけではないですよ。やらなければならないことははっきりしているわけですから、私は、私のできることを、淡々とやっていくだけです。

2017年10月21日土曜日

選挙応援

 10月17日、19日と二日間、垣内候補の事務所に頼まれて、アナウンサーとして候補者カーに乗ってきました。それなりに反応が返ってきて、手応えも感じましたが、全体としてはあまり盛り上がっていないようにも思いました。
 早々と自民・公明優勢と新聞記事が出たことも影響していると思います。小選挙区は一人しか当選しないので、結果が変わらないのなら行っても仕方ないと諦める人がでてしまうからです。でも、その同じ新聞記事に、未だ誰に投票するか決めていない人が4割いるということも報じているんですよね。
 つまり、この調査結果からいえることは、自民・公明優先ではなく、これから誰に投票するかを決める人が4割いるので、この人たちが誰に投票するか、どの党に投票するかで結果は大きく変わるけれど、それを前提とした上で、現在既に誰に投票するか決めている人たちの中では、自民・公明が優勢だということに過ぎません。
 だから、諦める必要はないんです。岡山二区でいえば、憲法改正に反対し、憲法を守るとしているのは垣内京美さんしかいないんです。幸福実現党は、憲法を改正し「国防軍を持つ」、希望の党は憲法9条含めて改正議論を進める、自民党は、憲法9条に自衛隊を書き込むと言っています。憲法に違反する集団的自衛権を認める閣議決定とあわせると、安保条約で結ばれているアメリカ軍の起す世界のあちらこちらの紛争地に自衛隊が無制限に派遣され、自衛隊員が「殺し、殺される」現場に身を置くことになります。そんなの事させたくないという人は、諦めずに投票に行った方が良いんです。そしたら、結果も変わるかもしれないんです。
 それにしても、小選挙区という選挙制度が駄目ですね。マスコミは、国民の意思を反映する事ができる選挙制度のあり方についてもっと真剣に論陣をはって、選挙制度のあり方についての国民的な議論が深まり、国会を動かすように問題提起をやっていって欲しいものです。
 私はこう考えています。まず、衆議院は、各県あるいは北海道、東北、関東、中部、近畿、中国四国、九州沖縄の7つの地方を単位とし、その地方・地域の人口に応じて議員定数を決める中選挙区制を採用します。つまり、衆議院は、地域代表が選出される議会とします。
 そして、参議院は全国一本の比例代表制にし、国民の様々な意見をふまえ、全国的・国際的な視点を持って、衆議院をチェックする役割を果たせる議会とします。

 いずれにしても、今回の選挙まだまだ結果はわかりません。国民の権利としての選挙権、しっかり行使する事が大事です。

 そうそう、忘れがちなんですが、衆議院選挙のときに、裁判官の国民審査を行う事になっているんですね。今回も7人が審査対象です。例えば「国民審査を受ける最高裁裁判官のアンケート回答」や「国民審査を受ける裁判官はどんな人物か」というWebページ等を参考に、予備知識をもって投票に行って欲しいわけですが、私は、×をつけたい人ばかりですけどね。とにかく、何も書かないと、信任するつもりがないのに、信任した事になるってことだけは忘れてはいけませんね。

衆議院小選挙区・岡山県第二区の立候補者は、こんな面々です。

垣内候補の候補者カーのアナウンサーとして、二日間候補者カーに乗ってきました。
写真は、瀬戸内市の島津市議のご自宅の向かい側、公会堂の前の街頭演説です。

唯一の被爆国が核兵器禁止条約を批准しない。それが我が日本です。
それで良いのか!安倍自公政権の決定は、絶対に間違っています。

解釈改憲で集団的自衛権を容認し、親友の加計学園に便宜を図り、
追求されてもそんなことはないと開き直り、自分を護る閣僚を出世させ、
一貫して側用人政治を進めてきた安倍内閣では、日本の未来に希望はない!

2017年10月17日火曜日

緑の党

 緑の党、今回は残念ながら立候補者を出せなかったようですが、私は緑の党のことがかなり気になっています。最近届いたメールマガジンでは「今回の選挙を立憲勢力躍進のチャンスととらえ、3分の1議席の確保をめざし緑・リベラル勢力結集を呼びかけます。そして、私たちもその一翼を担い、改憲を目論む安倍政権と、希望の党の思惑を覆す選挙にするため力を尽くします。」とし、緑の党として推薦する候補者名簿を公表していますが、立憲民主党と日本共産党の候補者がずらりと並んでいます。

 和編鐘という楽器奏者の「ゆきね」さんの演奏を聴いてすっかり気に入り、いろいろ話していたら、娘さんが長谷川羽衣子さんなんですよ。私なんかよりははるかに若い彼女の原発再稼働阻止の活動にはいつも敬意を払っているわけです。そんなわけで、長谷川さんが緑の党に参加して以来、ずっと見てますしメルマガも愛読してます。長谷川代表が総選挙に立候補して当選できるくらいの力を持ってほしいと思っています。

 世界の緑の党とつながって、「国益よりも地球益」を求めて活動しているところが良いね。グローバル・グリーンズ憲章の理念(原則)「エコロジカルな知恵」「社会的公正・正義」「参加民主主義」「非暴力・平和」「持続可能性」「多様性の尊重」を、前進させることが緑の党の存在意義と役割です、っていっていて本当にその通りだなと思います。もうじき60歳を迎えるような年になると、自然の大切さが身にしみてわかりますし、自分の生き方としてもできるだけ自然でありたいと思うようになりました。なかなかそうできない世の中ですが、自然に生きられない原因を取り除いていくのが政治の役割なのだと思う今日この頃です。

2017年10月16日月曜日

長島に初上陸

  長島は、瀬戸内海の日生諸島に属する面積6.6㎢の小島である。1927年に日本で最初の国立ハンセン病療養所である長島愛生園が設置され、その時に、村有地・民有地のほとんどが政府によって買収された。また、1938年には大阪府から公立らい療養所(外島保養院)が長島に移転し、1941年に国に移管され国立療養所邑久光明園となっている。
 従来からの住人がいなくなり、患者・職員の住宅、娯楽施設、作業場、看護学校などが建設され、長島愛生園、邑久光明園の関係者のみが住む島となっている。1953年のらい予防法によって患者の隔離政策がとられ、それは1996年まで続くことになった。本州から僅か200メートルの距離にありながら、ハンセン病への差別・誤解によって隔絶され、物理的にも、精神的にも孤立した島であったが、全長185メートルの邑久長島大橋(人間回復の橋)が1988年(昭和63年)5月に開通して本州と陸続きになった。

 ハンセン病への差別・人権侵害事件はもちろん知っていたが、これまで接点のないまま人生を過ごしてきた。だから、1990年に岡山県人になって27年、何度か邑久長島大橋の橋の下で魚を釣ったことがあるが、一度も長島に足を踏み入れたことがなかった。
 今日は、かみさんの誘いで『長島アンサンブル』というイベントに参加するために、初めて長島に上陸することができたのだった。

 パンフレットには、「瀬戸内の海と多様な緑に囲まれた、美しく穏やかな『長島』。
ハンセン病に対する差別や偏見、人権侵害で語られることの多い島だけど、どんなにつらいエピソードも、重たい歴史も、私たちには、なかなかリアルに想像できない。どこか遠くの、遠い昔の、 出来事のように感じてしまう...。
 長島には青い鳥楽団、クローバー楽団などの楽団があったという。強すぎて全国ツアーからなかなか帰ってこれない高校野球部も。
 長島にある資料館では、音楽や作陶、絵画など文芸活動が盛んに行われていた様子も紹介されている。悲しいエピソードのすぐ隣には、同じように、笑いがあり、友情があり、恋があり、歓びがあったはず。大きな大きな歴史の片隅には、一人一人のささやかで前向きな日常の集積があったはず。
 長島の日常と私たちの毎日は、遠いようで近い、もしかすると、隣り合わせにあるものなのかもしれない。本土から長島へ架けられた橋を、軽やかに渡ってみてほしい。
 悲しみだけに目を向けるのではない、みんなの多様で新しい感覚から生まれる、対話・理解の誕生を信じて。」と記されている。

 今日はその二日目で朗読・演奏会が催された。朗読は「阿部はまじ」夫妻、演奏はギター奏者の「伊藤ゴロー」さんである。映像と、朗読、そしてそこにギター演奏が重なり、とても酒脱な空間が出来上がった。子供連れOKということで、その空間を引き裂くような泣き声があったり、騒ぎ声が混じるが、朗読が始まると聞き入るこどもが多く、意外にそれが子どもの絵本の朗読とマッチしていてなかなか良かったよ。
 子供の絵本と侮ることなかれ、大人に対しても「心の中に勇気をもって、おそれずに世の中と向き合っていくんだよ。」「仕事に追われてないで少し周りの小さな自然に目をやるだけで、季節の移ろいを感じることができる。それを忘れないで!」「生きていくということは色んな経験を積むということ。失敗や、間違いや、辛さや、苦しさや色々あってもちゃんと生きるってことが大事だよ。」そんなメッセージを発しているように感じました。心に響く朗読・演奏でした。誘ってくれたかみさんに感謝。

愛生会館

駐車場から愛生会館へ歩く途中の風景

愛生会館から見た風景

2017年10月15日日曜日

スウェーデンの投票率

 日本の各種選挙の投票率の低さを憂いている私が、すごいなあと思っている国があります。それがスウェーデンなんですが、私が労働組合の専従をしていた1985年にスウェーデンの投票率が90%を割ったことがありました。その時に、マスコミは一斉に「民主主義の危機だ!」という大キャンペーンを貼りました。残念ながら、その次の選挙もさらに低下し86%と落ち込み、2002年の総選挙では80.1%まで落ち込みます。しかし、ここのところ投票率は上昇傾向で、直近の2014年の選挙では85.8%にまで回復しています。
 私がすごいと思ったのは、選挙に参加しない=民主主義の危機として、国民の政治への参加をマスコミも、教育現場も、いろんな形で追求したことです。そうした努力が投票率の低下傾向から2002年以降上昇に転じた理由ではないかと思います。

 まず、スウェーデンは王室があり、日本同様議院内閣制を採用しています。議会は一院制で国会議員の数は349人。全国を29のブロックに分けた比例代表制が採用されており、300議席が29ブロックに割り振られ、49議席は全国の得票率に応じて分配されます。この仕組みは、小選挙区制と違って民意を反映しやすいため、自ずと政治への参加意識が高くなるといえます。
 加えて、選挙キャンペーンをメディアが集中的に報道し、党首討論や政策ディベート等、政策論戦のテレビ・ラジオ番組が組まれ、有権者の関心を惹きつける役割をマスコミが果たしていることがあります。
 三つ目に教育です。スウェーデンの学生は国際的にみても民主主義に関する高い知識とその価値感への支持率が高いといわれています。それは、多くの学校で、ディベートや民主主義のプロジェクト活動を推進する事で生徒の政治への興味を高めるなどの努力が続けられているからです。18歳~29歳の若者の政党への参加率は4%もあり、「19歳で国会議員になる」若者が生まれることもあります。
 四つ目が政治への信頼の高さです。ヨーロッパの国々が経済危機や財政危機にさらされてきた中、スウェーデン政府が歳入・歳出をきちんと管理して盤石な財政を維持し、マクロ的な経済不安を払拭してきたことで国民の信頼感が高まっています。

 ふりかえって日本を見ると、党利党略で小選挙区制を採用し、多くの死票が出る仕組みを作ったことで政治への関心が薄れていき、学校教育の中で憲法教育がなおざりにされ、民主主義と政治参加への大切さが教えられず、マスコミ各社は首相との会食で骨抜きにされ、社会保障が切り捨てられていく、政治家はといえば国民生活の疲弊をよそに私利私欲で動いているさまを見せつけられては政治への信頼など生まれるわけもなく、なんともいえない閉塞状態にあるような気がしますね。

2017年10月14日土曜日

選挙妨害

 安倍首相の演説中にヤジが飛んだのを選挙妨害と批判する意見があります。先日テレビを見ていたら田崎史郎さんが「選挙妨害に近い・・・」と発言してました。田崎氏は、中央大学法学部時代に三里塚闘争に参加し、武器等準備罪だったかで捕まって留置されたこともあるんですね。そして、時事通信社に入ってからも、転勤命令を少数組合に入っていることを理由とした左遷であり不当労働行為だとして提訴し、政治部に異動するということで会社と和解したという経験を持つ、ある意味歴戦の闘士だったんです。
 しかし、最近の発言を見ていると政権擁護の立場を鮮明にしてます。自民党の中心派閥を担当しているうちに自民党に取り込まれ、自民党の仲間入りをしてしまったのでしょうか。
 そういう意味では、田崎さんが、都議選の最終日の、秋葉原の安倍首相街頭演説を見ながら選挙妨害(に近い)と指摘するのもうなずけるんです。しかし、そういう安倍首相自身も国会中継でヤジを飛ばしている姿を何度も見ています。私が見ていた国会中継中でも民主党の玉木雄一郎さんの質問中に安倍首相が「日教組っ!、日教組っ!」ってヤジ飛ばしてるのを見ています。玉木さんは日教組だったことはないと思うけど、なんで日教組っていうヤジになったのかわかりませんが、委員長から止めるように注意されていました。
 質問に全然関係ない安倍首相の「日教組っ!、日教組っ!」などというのはヤジだと思いますが、最近騒がれている新潟での安倍首相演説中の女性の発言「72年間、憲法9条が平和を守ってきたんです。」というのはこれはヤジではないでしょう。これは、演説の内容にかかわる意見の表明であり、表現の自由で保障された権利の範囲です。なかなか首相に直接意見を言う場なんかないわけで、せっかく自分の町に来て、今回の選挙でふたたび政権を握ったら憲法を改正すると言っている安倍さんに、それは間違っているということを伝えようということであって、「安倍帰れ!」「安倍辞めろ!」などと集団で大きな声を張り上げて演説を聞こえなくするというようなヤジとは全く質の異なるものです。そういう自由な意見表明に対して「選挙妨害するな!」というのは、まったく筋の違う話で、そこに拍手が起こって女性が口をつぐまざるを得なかったこと事態が、おそらく自民党の支持者の方であろう人々による弾圧です。そこをこそ問題にするべきです。

 安倍首相自身も、自民党のコマーシャルの中で国民の声に耳を傾けると言っているじゃないですか。自分の演説に支持者ではない方が来たとしたってなにも不思議じゃないわけで、せいぜい自民党の支持率なんて全国民の2割程なわけだから5人に4人は同じ意見ではないし、ある人は反対意見を持っているわけです。その反対意見を持っている人が、安倍さんの演説内容に対して「憲法9条こそが平和を守ってきた」、だから9条を変えてはいけないという意見を言っている。その声に真摯に耳を傾けなければいけないのは安倍首相のほうです。
 「選挙妨害するな」と怒鳴った男性に称賛の声が寄せられていることのほうが私にとっては異常事態です。安倍さんもコマーシャルで国民の声に耳を傾けると言っているのだから、「選挙妨害するな」と自分の支持者が怒鳴ったら、「私が国民の声を聴くと言っていることなので、選挙妨害ではないですよ。」とたしなめたとしたら、その行為こそ称賛されてもいいとは思いますけどね。まあ、あの秋葉原の「こんな人たちに負けるわけにはいかない」発言をみていると、安倍さんにそんな称賛されるようなことができるはずもないかと思ってしまいますけどね。

同窓会

 11月、文化の日に日本福祉大学の同期入寮生の同窓会が宮城県の松島で開催される。私は別の大学に1年行ってから日本福祉大学に行ったので、現役の連中から比べれば一つ上だけど、現役組が58歳だからね、みんな年をとったものだ。当たり前のことだけれど、金持ちも、貧乏人も、こればかりは平等に毎年ひとつずつ歳を重ねていく。私のように少々早くサラリーマン暮らしに区切りをつけて、別の道を歩き出すという選択をした奴もいるに違いない。あるいは、厳しい状況で同窓会に来られなくなった奴もいるかもしれない。今年はどんなメンバーが集まるのか楽しみだ。

 前回が確か名古屋で、3年前か・・・、5年ごとにやっていたのを5年もたったら死ぬ奴が出るかもしれないから3年おきにしよう、というようなことで今年の開催となったのだった。それこそ、大学生のころは、自分が年寄りになるなんてことを考えたことはなかったし、何でも自分のやりたいようにやって、それで生きていけるような気がしていた。社会人になって、なかなか自分の思い通りにはならないことを学ぶわけだけれど、それでも私なんかは、そんな中でもかなりやりたいようにやってこられた方だと思う。普段は、いろんなものを背負って、たぶんいろんなことを我慢して仕事をしているのだろうが、同窓会で昔の仲間が集まると、学生のころのような気分に浸る、というか学生の頃の若々しい気持ちに戻ることができる。あの頃、学生運動の中で歌った歌を歌い、むかしむかしの話なのに、まるで昨日のことのように語り合い、酒を飲んだ赤ら顔の頭の禿げたのや、腹の突き出たおっさん等、見た目は明らかにおっさん、おばさんなのに、語り合っていることは見ように若々しい・・・そんなギャップが新鮮で、元気をもらえる場なんだよなぁ。

 今回の幹事は、ゲジ(大学時代のニックネーム)だったなぁ。彼の結婚式にそのころ働いていた名古屋からえらい時間をかけて仙台まで行ったっけ。そうそう、新婚初夜にダボチン(これも大学時代のニックネーム)と二人で新居に泊めてもらったんだわ。何を語ったか覚えてないけど、懐かしいなぁ。

ピロリ菌

 ピロ菌検査結果
 先週、ピロリ菌の有無を調べる呼気検査をした。そもそも、ピロリ菌はどうやって胃酸という強い酸性化でも生存できるのか不思議です。

 ヘリコバクター・ピロリは、人の胃粘膜に棲息する螺旋型のグラム陰性桿菌なんですね。そして、強いウレアーゼ活性を持っていて、胃粘液に含まれる尿素を加水分解により二酸化炭素とアンモニアに分解し、そのアンモニアによって自分の周りを中性に保つことで胃の中に存在しています。

 そこで、まず、診断薬を飲む前の呼気を採取し、次に尿素を含んだ診断薬を飲んで5分間左側臥位、さらに座位で15分、あわせて20分経過後に再び呼気を採取し、呼気中の13C-二酸化炭素における13Cの含有量を測定します。

 ピロリ菌がいる場合は、診断薬の尿素を二酸化炭素とアンモニアに分解するわけですが、その二酸化炭素が大きく増加し呼気から体外へ出てくることになります。
 ピロリ菌がいない場合は、尿素が胃に入ってきても二酸化炭素が増加することはありません。

 とまあ、こんな検査を受けていたのですが、今日、結果を聞きに行ってきました。13C-二酸化炭素の上昇が「2.4pc以上」という数値の場合に、ピロリ菌陽性となるわけですが、私の結果は、「0.0」ということで、ピロリ菌はいないという結果になりました。いや~、良かった良かった。もしいたら、また除菌薬をのまなければならず、そしたら又全身に播種状紅斑が出るというようなことになったかもしれないのだからね。まずは一安心。

2017年10月12日木曜日

日本維新の会選挙公約

 日本維新の会の選挙公約を読む。「2017維新八策」という8つの柱からなるその公約の冒頭に掲げられているのは「身を切る改革」。何の身を切るのかというと国会議員自ら身を切らなければならないという。松井代表がよく言う、庶民に負担を求めるなら、その前にまずは国会議員自ら身を切るべきだというあれですね。中身はといえば、議員報酬の3割カット、公務員の人件費2割カット、公務員制度の改革で「身分」から職業へ、競争力を高める徹底した競争政策・・・等々。

 国会議員の報酬が高すぎるという指摘をしているわけではないけれど、私は、日本の国会議員の報酬は高すぎると思う。国会図書館政治議会課がまとめた国会議員の年間歳費(給与)を見ると、ダントツで高いのが日本で、2,363万円、次にアメリカの1,334万円、三番目がドイツの800万円、次がフランスで680万円、イギリスに至っては493万円にすぎない。どれだけ日本の政治家がお手盛りでやってきたかということだろう。維新の会はこれを3割カットすると言っているが、3割カットしたってまだアメリカよりもはるかに高いのだ。しかも何故3割カットなのかという根拠はない。
 私なら、国税庁の発表している平均年収を根拠に、国会議員報酬は420万円にする。もちろんこれはいわゆる給与部分で、議員活動に係る経費は保障されるべきだとは思うけれども、給与として支払われるのは、それで十分ではないか。議員報酬をあげたければ平均年収を引き上げればいいわけで、そうしたら本当の意味で国民の懐を温める政策が出てくるのではないかな。そんな給料でやってられるかという御仁は、さっさと政治家から引退していただいたらよろしい。そうやって、報酬の高低に関わらず、真摯に国民の安全と安心を追求してくれる本来の政治家らしい人だけが残るようにしたらいいのだ。
 維新の会も、このくらい大胆な提案をしてくれないと、身を切るったって3割ぐらいじゃ切られた痛みも感じないだろう。それほど議員歳費が高いんだからね。

 次が「機会平等社会のための教育の無償化」。いいこと言ってるなと一瞬思うでしょう。でもねここでも規制緩和なんですよ。新自由主義的政策を打ち出しているわけです。例えば、聞きなれない言葉ですが保育バウチャーの導入。これが何を意味しているかというと、保育園を社会福祉法人にしかやらせないという制度が待機児問題を生んでいるので、株式会社にも自由に子どもを預かる施設を作らせて、一定の基準を満たす施設に子供を預ける親にクーポン券を渡してそれを使って利用料の一部を払えるようにするという仕組みなんだね。さあ、これで何が起こるかすでに私たちは経験済みですよ。営利企業に子供を預かる施設をやらせたら間違いなく保育環境の悪化をもたらすことになると思うよ。だって、株式会社が事業をやる理由は、株主のための利益追求なんだから。保育の場に効率や合理性といった経営主義的な発想が持ち込まれ、それが保育環境を悪化させる方向に作用するのは間違いない。
 タイトルには賛成だけど、個別政策には問題だらけで評価できない。

 三つめが「”働く”を支援する生涯活躍改革」。もとより私は生涯現役で働くことがモットーで、サンデー毎日への憧れなんかこれっぽっちもない人間なので、ぱっと見これ良いなぁと思った。私なら、この間改悪され続けてきた労働法制を、憲法の視点でしっかり見直し、労働時間を大幅に短縮し雇用を創出、定年制などなくしてしまって働く意思と能力がある人はずっと働けるようにする。年金は保険料を払ってきたかどうかにかかわらず、一定の年齢になり働いていなければ生活できる年金額が支給され、年金をもらいながらボランティア活動などで共生社会の一員としてその役割を果たすという選択も可能とする。そんなことが書いてあるのかと思いきや、「受益と負担を均衡させる」とか、「年金は積み立て方式にする」とか、「世代間配分から世代内配分に」など、金の話しか書いていない。これではタイトルに偽りありだよ。生涯活躍なんて夢のまた夢だ。

 次に「時代に適した”今の憲法”へ」として、教育の無償化、道州制、憲法裁判所、国際情勢に対応して国民の生命・財産を守る9条改正等が並ぶ。教育の無償化は現憲法でもやれる話だし、道州制は国民が求めている課題とは思えないし、憲法裁判所なんてなくても現行司法制度で十分対応できている。とすると、ようは戦争の危機をあおって戦争のできる国にしたいってことだけだよね。何が時代に適した憲法へだ。ちゃんちゃらおかしい。そんな理屈はとうの昔に東西冷戦の時代が終わった時に破綻しているんだわ。北朝鮮が新たな脅威に見えているとすればよっぽど時代を見る目がないってことだと思うよ。北朝鮮はアメリカしか見ていないでしょう。私は、日本は目障りだけど北朝鮮の敵ではないとみなしていると思いますよ。今でも、北朝鮮とアメリカの間に挟まって右往左往しているだけで、外交努力をしているようには見えませんよね。

 う~ん、だんだん読むのが嫌になってきた。これりゃあ駄目だわ。と云いながらこんなことを書いている私も今日は全然だめだね。いくら評価できない文書とはいえ自分の文章はもっときちんと書くべきでした。反省。

2017年10月11日水曜日

山田方谷さんの思想

 山田方谷という名を知っている人がどれほどりうだろうか。NHKの大河ドラマで山田方谷さんを取り上げてほしいという陳情を行っている団体がいるということを実は先週の土曜日のシンポジウムで初めて知った。
 10月7日のシンポジウムは、賢人を語りつなぐ会主催の『朝鮮通信使のユネスコ世界記憶遺産登録に向けた記念シンポジウム』で、テーマは、「山田方谷(気学・陽明学者)と渋沢栄一(論語と算盤)にみる医療・福祉の思想の源流に学ぶ」副題として「地域包括ケアシステムの構築と『我が事・丸ごと』地域共生社会の実現に向けて」が掲げられている。青木内科小児科医院の青木先生のお誘いで、参加する機会を得たのだが、実に多くのことを学ばせてもらったのですね。

 山田方谷さんは、1805年3月21日(文化2年2月21日)生まれで、1877年6月26日に72歳で生涯を終えた。備中松山藩の生まれで元は清和源氏の流れをくむ武家だったようだが、方谷さんが生まれたころは農業で生計を立てていた。農業といっても菜種油の製造・販売を家業とする農商で、当時とすれば豊かな家だったいえる。そんなわけで、5歳で儒学者の丸川松隠に師事し頭角を現し、二十歳で士分に取り立てられ、藩校の筆頭教授に任命されている。それを契機に藩政にも参加するようになり、貧しかった藩を産業振興策などで7年で豊かな藩に変えることができた。その成功により、藩主板垣勝静は第15代徳川慶喜の老中首座に上り詰めた。方谷さんも江戸に出て徳川幕府の補佐役となったが、藩の内政に比べて外交や幕政については意欲に乏しく、早々に辞任し、内政には責任を持つことを約して松山に帰国、藩の育成や弟子の育成に力を注いだ。
 略歴を眺めるとざっとこんな感じですね。そして、方谷さんの最大の功績である藩政改革を見ておく。

 方谷さんの藩政改革の要点は、「理財論」および「擬対策」の実践にある。
 理財論は方谷さんの経済理論で、漢の時代の董仲舒(とうちゅうじょ)の言葉である「義を明らかにして利を計らず」の考え方を基本にしている。つまり、綱紀を整え、政令を明らかにするのが義であり、その義を明らかにせずに利である飢餓を逃れようとしたのでは成果はあげられない。その場しのぎの飢餓対策を進めるのではなく、客観的に義と利の分別をつけていけば、おのずと道は開け飢餓する者はいなくなると説いた。擬対策は方谷さんの政治論で、天下の士風が衰え、賄賂が公然と行われたり、度をこえて贅沢なことが財政を圧迫する要因になっているので、これらを改めよと説いた。
 わかりやすく言うと、藩費が足りないのは賄賂が公然と行われていることと、役人の身分に過ぎた奢りが盛んになったことの2つ以外にない。この2つは泰平が続いた後に必ず残る弊害であり、平和のうちに醸成され、必ず国家を乱し衰退をもたらすものである。これらは今後に及ぼす影響も深刻である。またこれらは昔から何度も繰り返されてきた事実で、この2つの弊害を取り除かなければ財政を救うこともできないし、士風を喚起することもでず国家の衰えを止めることもできない。と方谷さんは言っているんですね。
 こうした理論に基づき、具体的政策を打ち出していったわけです。それは、「藩財政の内外への公開と債務返済の50年延期」、「大坂の蔵屋敷を廃止し領内に蔵を移す。堂島米会所の動向に左右されず有利な市場で米を売る」、「質素倹約を命じ、賄賂は没収」、「信用を無くした藩札を焼き捨て新しい藩札を発行、藩に兌換を義務付けた」、「砂鉄から備中鍬を生産、タバコや茶・和紙・柚餅子などの特産品を開発し、生産者の利益を重視」、「特産品を手数料のかかる大坂を経由せず、直接江戸に運ぶ」、「藩士以外の領民教育にも力を入れ、優秀な者を藩士に取り立てる」、「目安箱を設置して領民の声をきく」、「犯罪取り締まりの強化の一方で寄場を整備し早期社会復帰を援助」、「農兵制の導入、イギリス式軍隊の整備」等々がその中身である。
 こうした改革によって2万石に満たなかった藩の財政は20万石に匹敵するほどの規模となり、農村においても困窮する者はいなくなったという。

 しっかりした思想に基づく理論とその実践、素晴らしいね。ちょっと表現を変えれば、今度の衆議院選挙向けの公約ができそうなくらいだなぁというのが山田方谷さんの思想を学んだ私の感想です。

2017年10月10日火曜日

総選挙告示日に自民党の公約を読む

 自民党の選挙公約の軽さは嫌というほど身に染みた。
 TPP断固反対を掲げて総選挙を闘い、選挙が終わったら甘利さんがTPP協議に参加、安倍首相は国会答弁で「私自身、TPP反対と言ったことは1回もない、ただの一回もございませんから・・・。」と言いました。自民党が選挙前にこのポスターを貼りだして選挙闘ったんですよ。そして、安倍さんが自民党総裁なわけです。安倍さんが言葉として「TPP反対」と言ったかどうかは問題じゃないでしょう。政党の公約をポスターにしたんじゃないんですか!と言いたい。そうでないとすれば、自民党という政党は、単に票集めのためだけに「TPP反対」という、心にもないことをあたかも選挙公約のようなふりをしてポスターを作って貼りだしたのだということを安倍さんが認めたようなもの。
 つまり、まあ自民党の選挙公約というのは国民を欺くための欺瞞に満ちたものだということが前回の選挙で証明されてしまった。
 ということで、どこまで政党としての本音、言いたいことが書かれているのか怪しいという目で読まなければならないというのが自民党の公約なのだ。だから、あまり読む気にならなくて、やっと今日になってそうはいっても読んでおこうかということにあいなった。

 自民党の6つのポイントを見ておきたい。

 最初に、憲法改正。前回の選挙の時に憲法改正を言わず、今年の憲法記念日に憲法改正をめざすことを首相自ら語った。その時に批判が集まりましたよね。公約にしていないのにこんな重要なことを突然言い出してどういうことか、という批判です。そのため、今回は明確に公約でうたうことにしたということか。しかも原案を発議し、初の憲法改正を目指すと強調しており、今回の選挙で過半数を取るようなことがあれば、本気で憲法を変えるつもりだという意思がこめられているようにみえます。
 自衛隊が違憲か合憲かという問題はさておき、現実に自衛隊が存在し、軍事費に5兆円もの国家予算をつぎ込んでいます。自衛隊を中心として個別的自衛権を行使すれば専守防衛は可能。軍隊を持たないという憲法9条に、3項として自衛隊を持つことを明記するとしているが、現憲法の平和主義に反するものであって、そのこと自身が憲法違反でしょう。

 二つ目のポイントが安全保障。ここでは防衛力の拡充強化を打ち出していますが、すでに5兆円もの大金を軍事費に使っているにもかかわらず、さらなる拡充をするというわけです。憲法の絶対平和主義に基づき、自衛隊は災害救助隊に、軍備は徐々に縮小していって、憲法の定めの通り軍隊も兵器も持たない国を目指すべきだと私は思う。北朝鮮が先軍政治をうたい、核兵器の開発に向かっている状況の中で、軍隊を持たなければ、軍備を拡充しなければ侵略されてしまうではないかという意見があります。しかし、日本が軍備拡大を進める中で(実際に朝鮮併合の歴史がある。)それへの対抗として北朝鮮も先軍政治を進めてきたという歴史的経過を見れば、日本がまず軍備を放棄することで、北朝鮮が振り上げた拳を下ろすきっかけとすることができるのではないか。あくまで憲法9条の立場に立って、話し合いによる平和的友好関係作りが外交というものではないのか。気に入らないから、話し合いもせずに、まずは圧力をかけて向こうが喧嘩を売ってくるのを待つみたいなやり方は、私には軍国主義へつながる道のように見えます。

 三つ目のポイントが経済・雇用。2020年までの3年間を生産性革命の「集中投資期間」にするといっているが、具体的な政策には見えないし、それ自身投資する余力のある大企業に対する政策でしょう。国民に対してはどうかといえば「同一賃金同一労働」等を推進し最低賃金1,000円をめざす、とある。私は、雇用問題ではこの間労働者の権利を切り捨ててきた歴史を総括し、派遣や非常勤などの不安定雇用の人たちを、希望すれば正規職員になれるようにし、失業対策を充実し、自己都合退職であっても、例えば1年以上継続して働いてきた実績があればすぐに失業手当を支給し、生活困窮に陥らないように下支えし、不足している産業分野への就労をすすめるなど、もっと積極的な就業支援を行うことを優先するべきだと考えます。最低賃金だって1,000円じゃ安すぎますよね。

 四つ目が子育て・教育、五つ目が財政で、「全世代型社会保障」と言ってますが、社会保障はもともと全世代共通に保障されるべきもので、新しい表現で目先を変えただけのように見えます。幼稚園・保育園・教育の無償化に向けて努力すると言っていますが、財源では消費税を10%に引き上げることのみ。日本は所得の再分配機能が弱く、貧富の格差が拡大しています。大企業の内部留保も、消費税の引き上げに合わせて行われている法人税率の引き下げ等で、増え続けている実態があります。大企業、大金持ちの富の源泉は、低賃金・長時間労働で働く労働者の労働からの搾取なわけで、彼らに応分の負担を求めるのは当然のことでしょう。基幹となる税金は所得税と法人税であり、それを基本に税率の設定を見直すことで、所得の再配分機能を高めることが求められていると思います。その観点で、社会保障制度の仕組み全体を見直し、あらためて制度設計してみることが必要です。

 六つ目にエネルギー問題。ここでは東日本大震災であれだけ痛めつけられたのに、それでもまだ「原子力発電所の再稼働」を掲げるのか!という怒りにも似た感情がこみあげてきます。使用済み核燃料の処理ができず、全国の原発の敷地内に使用済み核燃料が溜まっているのに、その問題を解決せずに新たな使用済み核燃料を増やすのかが問われています。しかも、ひとたび自然災害によるシビアアクシデントが発生すればどんなことになるのかという経験はすでに福島でしているわけで、何故、そんな危険な原発にこだわるのか理解できません。国民の安全や安心をないがしろにしてまで進める原発政策、古い利権にとらわれることなく、直ちに見直すことが正しいと思います。

 以上、自民党の公約を批判的に検証してみました。いろいろと考えるきっかけとなってよかったわ。

日本共産党の選挙公約を読む

 日本共産党2017総選挙政策を読んだ。さすがに歴史のある党の選挙政策である。総合的で、なおかつ今おこっている問題についても明確に対応策を提起している。いずれも、おそらく国民の多くが感じていること、考えていることに対応しようという姿勢が貫かれており、私からも特にいうことはない。全くその通りだと思う。

 「憲法破壊、民意無視、国政の私物化の安倍暴走政治をこのまま続けさせていいのか、それとも、国民が退場の審判をくだすのか――これが総選挙の最大の争点です。」とし、基本的に立憲民主党と同じスタンスにたち、多くの国民の問題意識と同じ問題意識を持っているといえる。

 長文の選挙公約になっており、読み込むのも大変だけと、じっくり読んでいくと、じんわりとその良さがしみ込んでくるような政策だと思う。

 私は、今回の選挙、安倍首相の側用人政治を終わらせることが一番重要だと思っている。まず森友学園問題では、安倍首相の妻が講演に行ったり、寄付金を渡したり、名誉校長に名前を出したり、安価に国有地が払い下げられ、おかしな経過が問題となるやいなや籠池さんを切り捨て、知り合いでも何でもないと白を切り続けた。
 また、加計学園問題では、古い友人の加計幸太郎氏の獣医学部新設を、森友学園以上の厚遇条件で安倍首相の主導のもと認可する方向で今も工事が進行している。元文科省職員の前川さんが「行政が歪められた」と告発したにもかかわらず、前川氏の私生活をスキャンダラスに取り上げることで告発の不当性を訴えようとしたがそれにも失敗。
 この数年を振り返ってみれば、URの口利きで大臣を辞任した甘利さん、今村復興大臣の東日本大震災に対する暴言による辞任、稲田朋美防衛大臣の南スーダン派遣PKO部隊の日報隠し問題での大臣辞任、中川俊直議員の重婚スキャンダル、豊田真由子議員の秘書への暴行事件、政治と金の問題では、安倍晋三総理大臣をはじめ、菅義偉官房長官、麻生太郎副総理大臣、下村博文文科大臣などなど、禁止されている企業からの献金問題が、続々と指摘されているような状況で、政治(家)への不信を膨らませてきたのは自民党ではなかったか。
 安倍さんは、アベノミクスは成果を出しつつあるというが、年収200万円未満の雇用労働者が全雇用労働者の3割近くに達し、国民に疲弊感が広がっている。国民の実感と安倍総理の説明はいつも大きく食い違っている。そんな状況の中で、イエスマンを側近に集め、お友達には大盤振る舞いでは国民の納得は得られない。この問題の追及をいい加減に止めたらどうか、もっと国政の問題で検討しなければならないことがあるだろうという意見を聞くことがあるが、それは大きな間違い。政治家であるならば、国民のために政にとりくむべきであって、それをお友達優遇で国の財産を食い潰すことなど認めてはならないのだ。

 そしてもう一つが憲法の問題だ。まず、憲法第96条と第99条を見ておきたい。

〔憲法改正の発議、国民投票及び公布〕
第96条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
2 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。
〔憲法尊重擁護の義務〕
第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

 憲法99条により、国会議員や公務員等は「この憲法を尊重し擁護する義務」があるので、憲法を改悪することは認められていないと考える。具体的に言えば、憲法9条に自衛隊の存在を明記したり、集団的自衛権を書き込むなどということは、現憲法の絶対平和主義(軍隊を持たない、戦争を認めない)からの後退であり、このような憲法改正(改悪)を発議をしようとすること自体が現行憲法によって認められていないと考えているということだ。
 日本では公教育を通じて憲法教育がなおざりにされてきた。憲法を知らなくても何となく暮らしていける。しかし、憲法には私たちの権利のすべてが書かれており、その内容を知らなければ暮らしの中での権利侵害に気づかず、不利益を被ることだって起こるわけで、憲法教育をしっかりするということと、憲法改悪の策動を諦めさせることが重要な課題だ。改憲勢力をのさばらせてはいけない。そういう選挙にしたいと私は考えている。

2017年10月9日月曜日

立憲民主党の公約を読む

 立憲民主党が公約を発表した。その公約を周知徹底する時間がは少ない。また、立党からの時間もなく、けっして十分検討された総合的な政策が書かれているわけではない。やむを得ないと見るか、不十分と見るかという問題はあるが、まずはその内容を見ておきたい。

【暮らしを立て直す】アベノミクスの成果は上がらず、中間層を激減させたままだ。将来的な国民負担を議論することは必要だが、直ちに消費税率10%へ引き上げることはできない。実質賃金の上昇で中間層を再生する。児童手当・高校授業料無償化とともに所得制限を廃止する。

 【原発ゼロ】原発ゼロは未来に対する私たちの世代の責任だ。再稼働は現状では認められない。原発がなくても日本経済は成り立つ。もはや原発ゼロはリアリズムだ。具体的なロードマップを示し、原発ゼロを一日も早く実現する「原発ゼロ基本法」を策定する。

 【支え合う社会】性的少数者(LGBT)差別解消、選択的夫婦別姓などを実現。手話言語法制定を推進。マネーロンダリング(資金洗浄)の温床となり治安を悪化させるカジノ解禁に反対。

 【情報公開】安倍政権誕生から、政治は一部の権力者に私物化され、大切な情報が隠蔽(いんぺい)されてきた。特定秘密保護法の廃止と情報公開法改正による行政の透明化などにより、オープンでクリーンな政治を実現する。

 【立憲主義】2015年に強行採決された違憲の安全保障法制の問題をうやむやにしたままに、理念なき憲法改正が叫ばれている。専守防衛を逸脱し、立憲主義を破壊する安保法制を前提とした憲法9条の改悪とは徹底的に闘う。領域警備法の制定と憲法の枠内での周辺事態法の強化を目指す。解散権の制約や知る権利など憲法論議を進める。

 これを読んで、僭越ながら私の評価は、合格点を出せる内容だと思う。もちろん医療・介護・福祉政策の不十分さ、基幹税制である所得税・法人税のあり方等について、政策を持っていないという弱点はある。しかし、今回の選挙の大きな課題である安倍自公政権のファッショ的運営を続けさせないこと、安倍内閣によって踏みにじられてきた立憲主義に立ちかえり、憲法改悪を許さないという大きな課題に対して、ちゃんと国民の立場に立って明確にその立場を打ち出している。そのスタンスが護られるのならば、選挙に向けての公約づくりが間に合わなかった様々な課題についても、国民の立場での政策立案に取組んでくれるであろうという希望を指し示すものになっている。そのことが、国民の希望につながることを期待させる公約になっているのではないか。私は、この公約をそう受け止めることにした。

希望の党の選挙公約を読む

 先日、希望の党が選挙公約を発表しましたね。それで早速読んでみました。小池さんは、まず理念を強調しています。曰く、まず、希望の党が希求するのは、「党の利益」でも「議員の利益」でもなく、国民が納めている税の恩恵を「すべての国民にお届けする仕組みを強化すること」だとしています。税の恩恵をすべての国民に届ける・・・公平のようでいて実は不公平を含む内容だと思うんですね。それは、まず税金を集める仕組みがすでに公平ではなくなっていることを思い出さなければなりません。
 一つは消費税の問題ですね。消費税は逆累進性の高い税制度だと言われていて、だからこそ先進資本主義国で消費税を採用しているところでも、食料は非課税だったり、税率数%と低く抑えられたりしているわけですが、日本では一律8%の消費税がかかります。
 そして、消費税導入に合わせて法人税率が引き下げられ、相殺すると消費税の税収分だけ法人税の税収が下がっていて、結局、企業の税金をまけてやった分を、すべての国民で公平に負担するという構造になっているわけです。消費税3%の導入、5%への引き上げ、8%への引き上げという過程で、実質的な国民の税負担は強化されているというのが現実ではないですか。特に、低所得者の方のところでの負担感はかなり強まっているというのが実態でしょう。
 税金問題を取り上げるなら、この大企業優遇の税制をこそ問題にするべきでしょう。だって、そうゆう優遇策の結果、国民生活は疲弊しているのに、大企業の内部留保は増加しているんですよ。
 二つ目に「国政を透明化」し、そのために「情報公開」を常に行っていくといっています。また、「既得権益やしがらみ」をなくして、「国民ファーストの政治を実現」し、「日本の未来に希望を生む」ことが希望の党の理念であると強調しました。これは良いことです。どこまでやってくれるのかわかりませんが、是非ともその方向で努力していただきたいものです。

 理念を述べたうえで、公約の3つの柱について触れています。「費税の増税を凍結」、「原発ゼロ」、「憲法9条を含め、憲法改正論議を進めていきたい」の3つです。消費税の凍結は是非ともやっていただきたいし、こんな不公平な税金制度はなくしてもらいたいと思います。そして、大企業の法人税率を引き上げて40%くらいにすればいいんですよ。だって、内部留保を増やし続けているんだから。もちろん、資本金1億円以上の大企業とかっていう但し書きをつけなきゃいけないけど、多額の利益を上げているところからはしっかり負担してもらうという仕組みを作ることが一番大事でしょう。
 原発ゼロについてはね、すぐに止めるべきだというのが私の意見。だって、原発動いていないけど電気足りてるじゃん。すぐに止めて、本当に難しい原子炉の廃炉に向けた技術的な問題をクリアしていくことが求められますよ。だけど、小池さんは2030年をめどに原発をゼロにするとしているんですよ。使用済みの核燃料をどうするかとか、原子炉をどう解体するのかとか、難しい問題がたくさんあって、ただちに原発ゼロにするってことにしても、凄い時間とエネルギーが必要なんです。本気で2030年に原発ゼロを実現しようとすると、ただちに着手しなければならないと私は思いますよ。
 そして、一番問題なのが憲法9条含め改憲論議を進めるとしていることです。憲法9条の下で戦後70年余日本は平和でいることができました。にもかかわらず何故その平和を踏みにじるような憲法9条の改正に踏み込まなければならないのか私にはまったく理解できません。憲法問題は、それだけ取り上げてまたあとで書きたいと思いますが、いずれにしてもこれらの公約を見る限り、希望の党では国民の希望を生み出すことはできないということがはっきりしましたね。最初、ちょっとだけ期待しただけに、落胆が大きい希望の党の公約発表となりました。

2017年10月5日木曜日

希望の党と立憲民主党

 希望の党は、どうやら私たちの希望の党ではなかったことが日を追ってはっきりしてきました。安倍首相の解散会見の直前にかなりセンセーショナルに立党会見を開き、保守からリベラルまでカバーする幅広い公約を掲げ、国民の目を引き付けることに成功しましたが、その後の経過を見るとどうにもいけない。

 柚木道義議員が民進党の解党と「新たな枠組み」で衆議院選挙を闘うべきだと要望し、その後、前原代表が希望の党への合流を目指すという方針を明らかにしましたね。おそらく希望の党の小池さんも、1か月未満という期間では候補者をそろえきれない事情もあって、受け入れるような雰囲気を醸し出したんでしょうね。でも、確かに「選別する」という言い方をしてました。にもかかわらず民進党の側は一気に希望の党への押しかけ合流に動いてしまいました。
 柚木何某って倉敷が選挙区で倉敷医療生協の総代会にも来賓として来たりしてて、真っ当な政治家なのかなと思っていただけれど、違ったんだなぁ。前回、民主党で選挙闘って国会議員になって、その後民進党と政党名は変わったけれで、今回の選挙でどうも旗色が悪くなったから解党を主張するなんて、もともと大した主義主張のない人なんだね。
 前原代表はウィキペディアで日本会議のメンバーと書かれているような人だから、小池さん率いる希望の党と一緒になることに何の問題もないし、むしろ枝野さんあたりとはずいぶん考え方が違うんで、今の政治状況を逆手にとって解党に進む決断をしたのかな?本当のところはよくわからないが、いずれにしても民進党解党の流れができてしまっています。参議院の民進党は残るようだけれど、もう、解党は止められないね。
 希望の党の公認をもらってさあ選挙って時に、「選別」という話になったわけです。たしかに、民進党が右から左まで色んな考え方の議員を抱えていて、憲法問題でも改憲派と護憲派がいたりして安倍内閣と対決する姿勢に徹することができないという弱点がありました。そういう意味では民進党の右派の人たちを結集し、左派の人たちはお引き取り願うというのは間違った選択ではない、むしろそれが正しいとは思う。でもね、公約見ればさ、民進党左派の人たちだって一緒にやれそうだと思った人もいたんだよね。それが突然はしごを外される・・・。
 希望の党・小池さんは、安倍首相と対決すると言いながら、結局、安倍首相を利することになっているように見えるよね。野党第一党で、枝野さんはじめ森友・加計学園問題では安倍首相を追求してきた勢力を篩にかけて国会の場から追い出す・・・そういう役割を希望の党は担わされているような気がして仕方ないんですよ。

 そんな中で枝野さんが立憲民主党を立ち上げた。潔いです。日本共産党も立憲民主党が立候補している選挙区では立候補を見送り、立憲民主党を支援していくようですが、本当の意味で安倍首相と対決する勢力となれるのは立憲民主党と日本共産党だと私も思います。例えば、ツイッターのフォロワー数、立憲民主党は結党して数日で10万人を超えるフォロワー数を獲得しているが、希望の党は数千人と二けたも違うんですね。ネットの世界では立憲民主党に軍配があがっているわけです。
 枝野さんは会見で結党理由を次のように説明しています。
「国民の生活の安心、立憲主義、民主主義、自由な社会をしっかりと守っていくために、立憲民主党を結成することを決意した。この総選挙で安倍晋三政権をストップさせる。そのための大きな役割を果たす。
 選挙に備えてきたのに、残念ながらこのままでは戦えない。民主党から民進党へと積み重ねてきた理念と政策の方向性をさらにブラッシュアップしながら、国民の皆さんの声を受け止める。残された時間は多くないが、国民に自信を持って政策と理念を訴えて、その期待に応えていく。」
 希望の党の小池さんの話よりもずっと分かりやすい。そのわかりやすさがSNSで支持されていることは間違いない。安倍政権をストップさせるための選択としては、今度の選挙、真の野党を選ぶこと以外ないですね。立憲民主党、日本共産党の動きに注目して、総選挙の選挙戦を見守っていきたいと思っています。

事務所探し

 まちづくり研究所を立ち上げて、家賃を払うのも大変だからと自宅を事務所にしたのだけれど、自宅というのは善し悪しだね。通勤時間がゼロ、家賃無し、と固定経費がかからないのは良いのだけれど、仕事とプライベートの境がなくなって、私のようにおおらかな性格だと、仕事の緊張感までなくしてしまう。お客さんに来てもらうにしても、家は私だけの物ではないので、かみさんのプライベートに対する配慮が必要だ。実際に、基本的には家にきてもらったことはない。

 ということで、現在、事務所探しを始めたところだ。探しはじめて色んなことに気がつくんだけれど、最近は、敷金なし、礼金なし、なんてところもあって、ワンルームだと家賃2万円台、初期費用10万円以下という格安物件があったりして、いや~驚いた。
 おまけに、インターネット無料、駐車場付き、事務所使用可とくればとりあえず借りておこうかなという気になるね。

 僕は、あまり悩まないほうなので、さっさと契約してしまおうかという気分なんだけど、かみさんは色々とこだわりがあるようで、僕の事務所なのだけれど、「物件を見てから決める」と申しております。僕は費用だけは気になるけど、あとは何とでもなると思うので、とりあえず、かみさんが気に入った物件を借りることになりますね。

 そこを拠点に、どんな成果を作り出せるか、今から楽しみで仕方ないのだ~。

2017年10月2日月曜日

岡山市長選挙の結果

 岡山市長選挙の結果は、現職の大森さんが当選した。しかも、開票が始まる前にすでに当確がでるほどの大差がついたようだ。しかし、投票率は28.35%で過去最低だった。つまり、70%以上の人は投票に行ってないってことですよね。この選挙結果を有効とする根拠がどこにあるのだろう??
 私の意見では、まず、選挙の有効・無効を判断する基準を設けるべきだということです。本来ならば、有権者の過半数の支持を獲得して初めて市長となれるというくらい厳しい基準があるべきだと思うんですね。何日か前のブログに書きましたけど、多くの市民にとって市長選挙をやっているという盛り上がりがないまま投票日が来てしまったって感じですよね。

 その原因は次のようなことが考えられるのではないでしょうか。

1.告示から投票日までの選挙期間が短すぎる
 昔は、長かったですよね。それが政権与党の都合で短くなったと理解しています。岡山市は政令市なので選挙期間が2週間ありますが、町議会議員なんか5日間ですよ。これで、候補者の公約を選挙区民に訴え、理解してもらって、投票行動につなげるなんて無理でしょう。

2.選挙運動が非常に制限的であること
 戸別訪問が禁止されているので、ビラを配るか、宣伝カーを走らせて名前を連呼するくらいしたやれることがないわけですよ。最近、インターネットを使えるようになったけど、それにしても選挙運動が制限的すぎると思います。

3.マスコミの責任
 選挙にあたって、マスコミが何をどう報道するかということがもしかした一番大きな影響を与えるのかもしれません。小泉純一郎さんが「郵政民営化に反対か、賛成か!」と二者択一的な選挙をやって以来、マスコミ報道が択一的になったきがするんだけどどうなんでしょう。国民一人ひとりが抱えている要求や困難はみんな違うのに、マスコミがある問題だけを取り出してそれに対して賛成か反対かで投票させようとしているように見えるんですよね。自分の要求が取り上げられなければ選挙に興味を失っても仕方ないというものです。これには、一番最初に書いた選挙期間が短い問題もかかわっていて、時間がないからそう多くの政策課題は取り上げられないという事情があるのかもしれません。だから、選挙期間はもっと長くするべきなんですね。そうしておいて、国民・市民の要求を丁寧に取り上げて、どの政党が、どの候補者が、そういう国民要求にこたえようとしているのかをしっかり報道してもらうことが大事なんだと思うんですね。

4.教育の問題
 学校教育で憲法をしっかり教えていない問題が根っこにあるように思います。憲法で認められている権利の内容をしっかり学んで、権利侵害に対しては、純粋に憲法の立場で司法が判断し、法によって国民一人ひとりが守られる。そういう経験を積み重ねて権利を手にするということが希薄なため、日本人の権利意識が薄弱なものになっていると思うんです。政治家を選ぶこと(選挙権)も私たちの重要な権利の一つなんです。ということで、あらためて憲法教育を強化することが必要だと私は思っています。

 マスコミはマスコミで、教育現場は教育現場で、町内会や職場や市役所や、いろんな立場で選挙の結果を総括し、どこに問題があったのか真剣に検討していかないと、本当の意味で岡山市民を代表する市長を誕生させるなんてことはできないんじゃないかなぁ。

スマートフォンに換えた

 これまで長くPHSを使ってきた。それにタブレット端末(Wi-Fi)で十分だったんだけど、来年3月で機種変更ができなくなるとY!mobileから連絡が来て、さてどうしようかと考えた。11月で契約が満了するので、機種変更するならそのタイミングでと思っていたのだけれど、その次がないということが明らかになったわけで、この際、最後の機種変更をしてサービスが無くなるまで使いづるけるか、新しい世代の携帯電話・スマホに交換するかとここ暫く頭を悩ませてきたのだ。

 かみさんのスマホが少し前から調子が悪くて、今日、ドコモから私の契約しているY!mobileに乗り換えることにしてスマホの契約に行ったのだけれど、契約満了まで待たなくても違約金が発生しないこと、同時にスマホを契約したら1万円のキャッシュバックがあるキャンペーンが今日から始まったことなどの話を聞いて、踏ん切りがついた。で、スマホに機種変更してきましたよ。

 タブレットを使っていたのでそんなに違和感はないのだけれど、使い勝手はだいぶ違う。慣れるまでしばらく時間がかかりそうだけど、子供のころに新しいおもちゃを買ってもらって嬉しくてずっとそのおもちゃで遊んでいたころの、あのワクワクした感じを味わっている。

 仕事の関係で、今までの仕事ではあまり縁のなかった海外に行くこともこれから先時々ありそうで、そんな時にPHSでは使いようがなかったけど、これからは海外でも使えるようになるし、無料通話アプリもいろいろあるので、海外からも無料で電話ができるということになればこんな便利なことはない。

 LINEは何だかコマーシャル等なくていい機能がたくさんあって閉口していたら、全世界ではWhatsapp(ワッツアップ)というアプリケーションが最も使われているのだということを知った。日本ではあまりメジャーではないが、Facebookを提供しているメーカーが買収して傘下に収めたらしく、これから日本でも流行るかもしれないのだ。シンプルにメールと電話ができるということでこれをメインに使っていこうと思っている。

 いろいろな機能を触って試して、アプリをインストールしたり、驚いたり、感心したり、そんな時間が何ともいえず楽しいね。