2017年10月10日火曜日

日本共産党の選挙公約を読む

 日本共産党2017総選挙政策を読んだ。さすがに歴史のある党の選挙政策である。総合的で、なおかつ今おこっている問題についても明確に対応策を提起している。いずれも、おそらく国民の多くが感じていること、考えていることに対応しようという姿勢が貫かれており、私からも特にいうことはない。全くその通りだと思う。

 「憲法破壊、民意無視、国政の私物化の安倍暴走政治をこのまま続けさせていいのか、それとも、国民が退場の審判をくだすのか――これが総選挙の最大の争点です。」とし、基本的に立憲民主党と同じスタンスにたち、多くの国民の問題意識と同じ問題意識を持っているといえる。

 長文の選挙公約になっており、読み込むのも大変だけと、じっくり読んでいくと、じんわりとその良さがしみ込んでくるような政策だと思う。

 私は、今回の選挙、安倍首相の側用人政治を終わらせることが一番重要だと思っている。まず森友学園問題では、安倍首相の妻が講演に行ったり、寄付金を渡したり、名誉校長に名前を出したり、安価に国有地が払い下げられ、おかしな経過が問題となるやいなや籠池さんを切り捨て、知り合いでも何でもないと白を切り続けた。
 また、加計学園問題では、古い友人の加計幸太郎氏の獣医学部新設を、森友学園以上の厚遇条件で安倍首相の主導のもと認可する方向で今も工事が進行している。元文科省職員の前川さんが「行政が歪められた」と告発したにもかかわらず、前川氏の私生活をスキャンダラスに取り上げることで告発の不当性を訴えようとしたがそれにも失敗。
 この数年を振り返ってみれば、URの口利きで大臣を辞任した甘利さん、今村復興大臣の東日本大震災に対する暴言による辞任、稲田朋美防衛大臣の南スーダン派遣PKO部隊の日報隠し問題での大臣辞任、中川俊直議員の重婚スキャンダル、豊田真由子議員の秘書への暴行事件、政治と金の問題では、安倍晋三総理大臣をはじめ、菅義偉官房長官、麻生太郎副総理大臣、下村博文文科大臣などなど、禁止されている企業からの献金問題が、続々と指摘されているような状況で、政治(家)への不信を膨らませてきたのは自民党ではなかったか。
 安倍さんは、アベノミクスは成果を出しつつあるというが、年収200万円未満の雇用労働者が全雇用労働者の3割近くに達し、国民に疲弊感が広がっている。国民の実感と安倍総理の説明はいつも大きく食い違っている。そんな状況の中で、イエスマンを側近に集め、お友達には大盤振る舞いでは国民の納得は得られない。この問題の追及をいい加減に止めたらどうか、もっと国政の問題で検討しなければならないことがあるだろうという意見を聞くことがあるが、それは大きな間違い。政治家であるならば、国民のために政にとりくむべきであって、それをお友達優遇で国の財産を食い潰すことなど認めてはならないのだ。

 そしてもう一つが憲法の問題だ。まず、憲法第96条と第99条を見ておきたい。

〔憲法改正の発議、国民投票及び公布〕
第96条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
2 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。
〔憲法尊重擁護の義務〕
第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

 憲法99条により、国会議員や公務員等は「この憲法を尊重し擁護する義務」があるので、憲法を改悪することは認められていないと考える。具体的に言えば、憲法9条に自衛隊の存在を明記したり、集団的自衛権を書き込むなどということは、現憲法の絶対平和主義(軍隊を持たない、戦争を認めない)からの後退であり、このような憲法改正(改悪)を発議をしようとすること自体が現行憲法によって認められていないと考えているということだ。
 日本では公教育を通じて憲法教育がなおざりにされてきた。憲法を知らなくても何となく暮らしていける。しかし、憲法には私たちの権利のすべてが書かれており、その内容を知らなければ暮らしの中での権利侵害に気づかず、不利益を被ることだって起こるわけで、憲法教育をしっかりするということと、憲法改悪の策動を諦めさせることが重要な課題だ。改憲勢力をのさばらせてはいけない。そういう選挙にしたいと私は考えている。

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