先日、希望の党が選挙公約を発表しましたね。それで早速読んでみました。小池さんは、まず理念を強調しています。曰く、まず、希望の党が希求するのは、「党の利益」でも「議員の利益」でもなく、国民が納めている税の恩恵を「すべての国民にお届けする仕組みを強化すること」だとしています。税の恩恵をすべての国民に届ける・・・公平のようでいて実は不公平を含む内容だと思うんですね。それは、まず税金を集める仕組みがすでに公平ではなくなっていることを思い出さなければなりません。
一つは消費税の問題ですね。消費税は逆累進性の高い税制度だと言われていて、だからこそ先進資本主義国で消費税を採用しているところでも、食料は非課税だったり、税率数%と低く抑えられたりしているわけですが、日本では一律8%の消費税がかかります。
そして、消費税導入に合わせて法人税率が引き下げられ、相殺すると消費税の税収分だけ法人税の税収が下がっていて、結局、企業の税金をまけてやった分を、すべての国民で公平に負担するという構造になっているわけです。消費税3%の導入、5%への引き上げ、8%への引き上げという過程で、実質的な国民の税負担は強化されているというのが現実ではないですか。特に、低所得者の方のところでの負担感はかなり強まっているというのが実態でしょう。
税金問題を取り上げるなら、この大企業優遇の税制をこそ問題にするべきでしょう。だって、そうゆう優遇策の結果、国民生活は疲弊しているのに、大企業の内部留保は増加しているんですよ。
二つ目に「国政を透明化」し、そのために「情報公開」を常に行っていくといっています。また、「既得権益やしがらみ」をなくして、「国民ファーストの政治を実現」し、「日本の未来に希望を生む」ことが希望の党の理念であると強調しました。これは良いことです。どこまでやってくれるのかわかりませんが、是非ともその方向で努力していただきたいものです。
理念を述べたうえで、公約の3つの柱について触れています。「費税の増税を凍結」、「原発ゼロ」、「憲法9条を含め、憲法改正論議を進めていきたい」の3つです。消費税の凍結は是非ともやっていただきたいし、こんな不公平な税金制度はなくしてもらいたいと思います。そして、大企業の法人税率を引き上げて40%くらいにすればいいんですよ。だって、内部留保を増やし続けているんだから。もちろん、資本金1億円以上の大企業とかっていう但し書きをつけなきゃいけないけど、多額の利益を上げているところからはしっかり負担してもらうという仕組みを作ることが一番大事でしょう。
原発ゼロについてはね、すぐに止めるべきだというのが私の意見。だって、原発動いていないけど電気足りてるじゃん。すぐに止めて、本当に難しい原子炉の廃炉に向けた技術的な問題をクリアしていくことが求められますよ。だけど、小池さんは2030年をめどに原発をゼロにするとしているんですよ。使用済みの核燃料をどうするかとか、原子炉をどう解体するのかとか、難しい問題がたくさんあって、ただちに原発ゼロにするってことにしても、凄い時間とエネルギーが必要なんです。本気で2030年に原発ゼロを実現しようとすると、ただちに着手しなければならないと私は思いますよ。
そして、一番問題なのが憲法9条含め改憲論議を進めるとしていることです。憲法9条の下で戦後70年余日本は平和でいることができました。にもかかわらず何故その平和を踏みにじるような憲法9条の改正に踏み込まなければならないのか私にはまったく理解できません。憲法問題は、それだけ取り上げてまたあとで書きたいと思いますが、いずれにしてもこれらの公約を見る限り、希望の党では国民の希望を生み出すことはできないということがはっきりしましたね。最初、ちょっとだけ期待しただけに、落胆が大きい希望の党の公約発表となりました。
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