2019年2月18日月曜日

社会福祉法人制度改革

 3年前に法改正があって、社会福祉法人制度改革が始まった。国が何をやろうとしているのかといえば、社会保障費が増大する中で、安上がりな社会福祉制度をめざそうとしていることは間違いない。国が描いているのは例えばこんなことだろう。

 全国に2万以上ある社会福祉法人のうち約4割は介護保険制度がスタートして以降につくられており、一法人一施設という小さな法人も多い。こうした小さな法人は経営基盤が不安定なため、介護報酬引き下げですぐに赤字体質に転落してしまう。
 経営基盤を安定させるためには、小さな法人が合併して事業規模を拡大させることが一つの方法となる。あるいは、「ある社会福祉法人は障がい者向けの福祉サービスで発展してきて、最近特別養護老人ホームの事業を開始したが、どうも高齢者向け事業の経験不足で、特養の赤字が続いており、法人全体の足を引っ張っている。」という場合に、特養を他の法人に事業譲渡し、障がい者福祉に特化することで、経営の安定化を図ると同時に、赤字だった特養を高齢者福祉で成長してきた法人に譲渡することで、お荷物だった特養が新しい発展の可能性を手に入れることができる・・・といった具合だ。加えて、社会福祉法人が営利事業を行うことについて、障害が取り除かれ、営利事業をかなり幅広くやれるようになった。これから先、社会福祉法人と営利法人の合併などということも実現するようになるのかもしれない。
 合併や事業譲渡などで経営の規模拡大を目指すとして、どこまで大きくなればいいのかという問題があるが、まずは10億円を超える事業規模を目指すことになる。なぜ10億円かといえば、社会福祉法人制度改革で、一定の規模を超える社会福祉法人に会計監査人による監査を義務付け、ガバナンスの強化、財務規律の強化を図ることとされ、その一定の規模が10億円以上とされたのだ。
 また、合併で10億円以上の事業規模まで大きくなれない法人については、いくつかの法人が集まって協働化するべきだと言われている。要するに、10億円の事業規模をめざして合併しろ、それが無理でも少なくともいくつかの法人が集まってグループを作り、協働するグループで10億円以上を目指しなさい。そして、適当な時期に、そのグループで一つにまとまりなさいと言っているわけだ。

 また、社会福祉事業で形成された内部留保について社会福祉事業に再投資することが求められることになった。長い歴史のある社会福祉法人では、内部の蓄積がかなりの額にのぼっていたり、介護保険制度以降に発足した社会福祉法人では、社会福祉法人でありながら営利法人のように運営されていたりと、税金が投入されている社会福祉事業で内部留保のためこみの実態が明らかになったり、経営者にその利益が還元される仕組みが作られていたりと、不適切な状態が生まれていた。余剰資産をため込むのではなく、自らの法人の事業整備に活用する部分を除いて地域福祉の向上のために計画的に使いなさい。自らその計画を作成し、提出しなさいということになったのだ。そして、そういう活動を地域住民に公開し、地域住民から意見を聞いて、地域要望に応える福祉事業に取り組むことが求められている。
 社会保障財源が膨らんでいくので、社会福祉法人が内部に蓄積してきた資産を、地域福祉のために活用し、社会保障財源の伸びをできるだけ抑えようというわけだ。

 さらに、法人としての意思決定機関として、評議員会と理事会があり、実態としてその性格が必ずしも明確に分かれていなかったが、法人の重要な意思決定は評議員会で行い、理事会は評議員会が決めた方針の執行機関として業務執行のための意思決定を行う機関ということになった。評議員会が決定機関、理事会が執行機関ということに整理しようということになったわけだ。これまで年に1回、株主総会のように開催されていた評議員会が、四半期に一度くらいは開催しないと決定機関としての役割は果たせなくなるということだ。評議員会、理事会で決定できる事項については法律で定められているが、あらためて、法人の決裁規程を整備し、理事会が担うこと、評議員会の役割を明文化しておくことが求められている。

 そしてこうした社会福祉法人制度改革に対応できな法人については社会福祉事業から退席してもらおうというわけだ。ただ単に施設を閉めて去ってもらうのではサービスが不足することにつながるので、合併や事業譲渡をやりやすくして、退席してもらいたい法人から、国が考える優良な社会福祉法人に事業主体を移して、不適切な法人運営をしてきた社会福祉法人の経営者に去ってもらおうということで、文字通りの意味で「退席」という表現を使っているのであろう。

 こうした社会福祉法人制度改革の意図を考えている社会福祉法人の経営者がどれだけいるのだろう。相変わらず旧態依然とした個人事業主のような理事長(あるいは業務執行理事)がいる法人の姿を見て、そんな疑問を感じている今日この頃なのだ。もちろん社会福祉法人制度改革に真面目に取り組んでいる法人があることも知っているが、そうではないところとの温度差が非常に大きいと感じている。

2019年2月4日月曜日

ノートパソコンが壊れた

 ノートパソコンが突然いうことを聞かなくなった。これまでも起動する度にバッテリーの性能が落ちているというメッセージが出ていて、近いうちにバッテリーパックの交換が必要になるのだろうと思ってはいたのだが、突然その時はやってきた。4、5日前の朝、ノートパソコンの電源スイッチを押したのだが、うんともすんとも言わない。いつもらな緑のLEDが点滅したり、ハードディスクが回転する音が聞こえたりするのに、その日に限って、全くの無反応なのだった。
 愛機は、私が東京の単身赴任を終えて、岡山に帰ることを決めた年に買ったものだから、もう使い始めて6年目になる。東京で機器の調達を担当していた私は、いろんなメーカーと付き合いがあって、このノートパソコンも、私の勤務先に出入りしていた富士通の担当者から購入したものだ。確か10万円程で買ったものだが、ぼちぼちガタが来る頃だ。
 まずはメッセージが出ていたバッテリーがあやしいと見当をつけて、電池パックを買うことにしたのだが、意外に高価なものなのだということに気がついた。インターネットの通販サイトで調べると、12千円前後と、本体価格の10分の1以上の値がついていた。
 話は少し脱線するが、私はこれまでかみさんから小遣いをもらうという生活はしたことがない。私の稼ぎの中から毎月かみさんに決まった額を渡していた。その他に私のクレジットカードの家族カードを作ってかみさんに渡し、必要ならそのカードで買い物などをしてもらっていたのだが、サラリーマン生活を辞め、失業手当をもらい、その後自営業をちょっとだけ経験し、再びサラリーをもらって生活するようになるという過程で、無収入の時を経てかみさんから小遣いをもらって、それで生活するということになった。世のサラリーマン諸兄がどのくらいの小遣いをもらっているのか知らなかったが、かみさんは「みんな3万円だ」と云い、私の小遣いも3万円ということになった。
 その3万円の小遣いの中から1万円余の電池パックを買うということになると、少々高い買い物だ・・・というわけで、サードパーティー製のものを買うことにした。それでも4,500円ほどのしたのだけれど、純正品と比べればはるかに経済的だ。その電池パックが郵パックで届いていたので、早速ノートパソコンに装着してみると、五日ぶりに、無事にノートパソコンが復活した。そんなわけで、復活したノートパソコンで、このブログを書いているのだ。
 ところでかみさんの平均3万円説で決定した私の小遣いだが、ちょっと調べてみると、サラリーマンの小遣いの平均は37,873円なのだそうだ。私の小遣いは平均よりもちょっと少ないわけだ。しかし、昼飯は職場で提供される食事を利用すれば、給料天引きとなるので、特段何も買うものがなかったり、飲み会がなかったりすれば、お金を使う場がないのもまた事実で、今のところそれで困ることもないので、まあ良しとしよう。
 そのうちもっと稼げるようになったら、我が家の春闘を闘ってみたいとも思うのだが、その時に、あの難敵を落とすことができるのか、全く自信がない。