2018年8月17日金曜日

腸管出血性大腸菌に感染する

 腸管出血性大腸菌感染症を発症した。その経験をまとめておく。

8月12日
 21時頃 やけにガスが溜まり、腹が張る。何度も放屁する。
 22時頃 ガスが溜まり腹が張るだけでなく腸がグルグル、キュルキュル動く
 23時頃 軽い腹痛を伴うようになり、最初のトイレ。下痢が始まる。
  3度ほどトイレに通い、手持ちの整腸薬を飲み、腹の張と腹痛を感じながら就寝

8月13日 朝食におにぎり。それ以降絶食。
 6時頃 腹痛が強く、目が覚め、トイレに直行する。激しい下痢。整腸薬服用。
  ※ 30分~60分に1度くらいトイレに通う。

 9時頃 下痢後、洋式便所の水がワインのような赤に染まる。血性の下痢が始まる。
  ※ 何度も血性の下痢があり病院受診の必要を実感する。

 11時頃 岡山協立病院を受診(杉村先生) 36.7℃ 採血、補液の点滴、整腸薬

 問診では、この1週間ほどの食事について聞かれる。四日前に、職員の懇親会で焼肉を食べに行っており、杉村先生の説は、その焼肉ではないかとのことだったが、確証があるわけではない。
 痔主であることを告げたため、人生初めてのジギタール。どうやら痔の出血ではなく、やはり腸からの出血だ。腹部を触れられるとお腹の右側、縦のラインに痛みがある。「腸が腫れている」とのこと。結腸全体が腫れているようだが、上向結腸であろう右腹部の縦方向に痛みのラインがある。
 「細菌性腸炎ですね。抗菌薬は症状を悪化させることもあるので、整腸剤を処方しますので、様子を見てください。下痢で体内の水分が出てしまうので、水分補給をしっかりやってください。今日は点滴をしておきましょう。血液検査、便検査もやっておきましょう。」
 ※ 受診後帰宅。毎食後整腸薬を服用。腹痛と血性の下痢が続く。トイレ回数10回以上。

8月14日 熱感があり体温を測るが36.8℃と平熱より少し高い程度。水分補給のみでは力が出ないので、24時間ぶりにおにぎりを食べる。持続的な腹痛、周期的に強い腹痛がやってくる。食べていないこともあり、今日は、ほぼ血液がそのまま出ているのではと思えるような濃赤色の水様便がでる。今日は、大腸全体が痛いし、自分で触っても固く腫れている。

 15時頃、遅い昼食。素麺、ヒジキの炊いたの、金平ごぼう少々。食べたのが良かったのか、自然治癒力が攻勢に転じたのか、腹痛が多少和らいだような気がする。食欲も出てくる。今日のトイレ回数12回。

8月15日 血性の下痢が続いているが、仕事で面談が入っており出勤。断続的に腹痛がやってくるが昨日ほど痛みは強くない。水様便から泥状便に変化。今日から、食事は平常通り。腹部をおさえると大腸が腫れて痛みがあるのは変わらず。
 16時頃 杉村先生から電話。「便検査で腸管出血性大腸菌が検出されました。」症状を問われ経過を報告。「軽快に向かっているようなのでそう心配しなくても良いけど、ベロ毒素で腎機能障害がおこることがあるので、明日、受診してください。」
 拙い、出勤しなければよかったかと思ったが、すでに出勤してしまっている。どうしようと思ったが、スタッフに感染させてもいけないので、「私が触れたところを消毒してください。」と言い残して帰宅。途中、法人本部に連絡。

 熱感が続いているが、体温は36.6℃。周期的な腹痛はあるものの、痛みと痛みの間はずいぶん楽になった。トイレ回数8回。

8月16日 泥状の血液混じりの便が続く。岡山協立病院の杉村先生受診。診察の前に採血。血液検査の結果は、出血しているので貧血気味ではあるが、不安だった腎機能は問題なし。「指定伝染病なので保健所に報告することになる。保健所から問い合わせがあるから応えてください。」と杉村先生。病院から帰宅途中に保健所から電話あり、保健所に行くことになる。

 保健所では経過を聞かれ、食べたもののチェックを受け、勤務制限、家のトイレや洗面所などの消毒、職場のトイレの消毒、かみさんの便検査の勧告が出された。

 あらためて施設に電話し、トレイを次亜塩素酸水で消毒すること、懇親会に参加した職員に同じような症状の職員がいないか確認するよう指示する。

 下痢が治まって、二日続けて便検査でO-157が検出されなければ勤務制限が解除されるとのこと。来週半ばまでは出勤できそうにない。自分の触診でも大腸の腫れは続いており、押えると結構痛い。周期的にキリキリと痛みがやってくる。トイレ回数8回。

8月17日 軟便、肉眼的出血はなくなったが、まだ断続的に腹痛があり、完全復調にはもう少し時間が必要だ。大腸の腫れは治まっているようで固さを感じなくなったが、圧痛はある。周期的な腹痛もなくなってはいないが、痛みは軽い。トイレ回数5回(小便回数含まず)。小便でトイレに行くことがなかったが、本日、久しぶりに小便目的でトイレに行った。
 町内のOさんと暑気払いの予定だったが、さすがに延期させていただいた。

8月18日 朝から来週の祭りの準備。軟便4回。ガスが溜って腹部膨満感あり、下腹部圧痛あるも、周期的な痛みはほぼなくなったかな。

8月19日 下腹部の圧痛は治まるが、まだガスが溜まり、放屁ばかりしている。その他腹部症状はなくなり、ほぼ寛解した。明日から二日連続検便で、菌(-)ならば業務制限が解除される。

8月20日、21日と検便提出。

 O-157、ニュースで時々感染が報道されるが、あまり実感がないまま過ごしてきた。それが今回自分が感染することになったので、少々、驚き、いまさらながらに他人ごとではなかったのだと思い知ることになった。
 牛肉、豚肉からの感染だけでなく、最近では野菜などからも検出されているそうで、保健所ではこの二週間ほどの間に食べた物の確認作業が行われた。
 思い起こせば、O-157の名前を有名にしたのは1996年邑久町の学校給食でO-157床中毒事件が起こり、マスコミがそれを報道したことでO-157という名前が認知されるようになった。当時、常在菌である大腸菌から細菌兵器を開発しようとして作り出されたのがO-157だという細菌兵器説がまことしやかに囁かれたのを思い出したが、すぐに無くなったところを見ると単なる巷間流説であったのだろう。

 下痢、しかも血性の下痢をみると驚くし、それだけで悪い病気に罹ったような気になるが、病と闘う自然治癒力は持っておきたい。そのためにどうするか、食生活や定期的な有酸素運動など普段の暮らしを見直し、病原菌に対抗できる体力を維持・増進したいものだ。病気は、普段の暮らしを見直すきっかけにもなるので、必ずしも悪いことばかりではないなと思っている。