2017年10月14日土曜日

選挙妨害

 安倍首相の演説中にヤジが飛んだのを選挙妨害と批判する意見があります。先日テレビを見ていたら田崎史郎さんが「選挙妨害に近い・・・」と発言してました。田崎氏は、中央大学法学部時代に三里塚闘争に参加し、武器等準備罪だったかで捕まって留置されたこともあるんですね。そして、時事通信社に入ってからも、転勤命令を少数組合に入っていることを理由とした左遷であり不当労働行為だとして提訴し、政治部に異動するということで会社と和解したという経験を持つ、ある意味歴戦の闘士だったんです。
 しかし、最近の発言を見ていると政権擁護の立場を鮮明にしてます。自民党の中心派閥を担当しているうちに自民党に取り込まれ、自民党の仲間入りをしてしまったのでしょうか。
 そういう意味では、田崎さんが、都議選の最終日の、秋葉原の安倍首相街頭演説を見ながら選挙妨害(に近い)と指摘するのもうなずけるんです。しかし、そういう安倍首相自身も国会中継でヤジを飛ばしている姿を何度も見ています。私が見ていた国会中継中でも民主党の玉木雄一郎さんの質問中に安倍首相が「日教組っ!、日教組っ!」ってヤジ飛ばしてるのを見ています。玉木さんは日教組だったことはないと思うけど、なんで日教組っていうヤジになったのかわかりませんが、委員長から止めるように注意されていました。
 質問に全然関係ない安倍首相の「日教組っ!、日教組っ!」などというのはヤジだと思いますが、最近騒がれている新潟での安倍首相演説中の女性の発言「72年間、憲法9条が平和を守ってきたんです。」というのはこれはヤジではないでしょう。これは、演説の内容にかかわる意見の表明であり、表現の自由で保障された権利の範囲です。なかなか首相に直接意見を言う場なんかないわけで、せっかく自分の町に来て、今回の選挙でふたたび政権を握ったら憲法を改正すると言っている安倍さんに、それは間違っているということを伝えようということであって、「安倍帰れ!」「安倍辞めろ!」などと集団で大きな声を張り上げて演説を聞こえなくするというようなヤジとは全く質の異なるものです。そういう自由な意見表明に対して「選挙妨害するな!」というのは、まったく筋の違う話で、そこに拍手が起こって女性が口をつぐまざるを得なかったこと事態が、おそらく自民党の支持者の方であろう人々による弾圧です。そこをこそ問題にするべきです。

 安倍首相自身も、自民党のコマーシャルの中で国民の声に耳を傾けると言っているじゃないですか。自分の演説に支持者ではない方が来たとしたってなにも不思議じゃないわけで、せいぜい自民党の支持率なんて全国民の2割程なわけだから5人に4人は同じ意見ではないし、ある人は反対意見を持っているわけです。その反対意見を持っている人が、安倍さんの演説内容に対して「憲法9条こそが平和を守ってきた」、だから9条を変えてはいけないという意見を言っている。その声に真摯に耳を傾けなければいけないのは安倍首相のほうです。
 「選挙妨害するな」と怒鳴った男性に称賛の声が寄せられていることのほうが私にとっては異常事態です。安倍さんもコマーシャルで国民の声に耳を傾けると言っているのだから、「選挙妨害するな」と自分の支持者が怒鳴ったら、「私が国民の声を聴くと言っていることなので、選挙妨害ではないですよ。」とたしなめたとしたら、その行為こそ称賛されてもいいとは思いますけどね。まあ、あの秋葉原の「こんな人たちに負けるわけにはいかない」発言をみていると、安倍さんにそんな称賛されるようなことができるはずもないかと思ってしまいますけどね。

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