2017年10月9日月曜日

立憲民主党の公約を読む

 立憲民主党が公約を発表した。その公約を周知徹底する時間がは少ない。また、立党からの時間もなく、けっして十分検討された総合的な政策が書かれているわけではない。やむを得ないと見るか、不十分と見るかという問題はあるが、まずはその内容を見ておきたい。

【暮らしを立て直す】アベノミクスの成果は上がらず、中間層を激減させたままだ。将来的な国民負担を議論することは必要だが、直ちに消費税率10%へ引き上げることはできない。実質賃金の上昇で中間層を再生する。児童手当・高校授業料無償化とともに所得制限を廃止する。

 【原発ゼロ】原発ゼロは未来に対する私たちの世代の責任だ。再稼働は現状では認められない。原発がなくても日本経済は成り立つ。もはや原発ゼロはリアリズムだ。具体的なロードマップを示し、原発ゼロを一日も早く実現する「原発ゼロ基本法」を策定する。

 【支え合う社会】性的少数者(LGBT)差別解消、選択的夫婦別姓などを実現。手話言語法制定を推進。マネーロンダリング(資金洗浄)の温床となり治安を悪化させるカジノ解禁に反対。

 【情報公開】安倍政権誕生から、政治は一部の権力者に私物化され、大切な情報が隠蔽(いんぺい)されてきた。特定秘密保護法の廃止と情報公開法改正による行政の透明化などにより、オープンでクリーンな政治を実現する。

 【立憲主義】2015年に強行採決された違憲の安全保障法制の問題をうやむやにしたままに、理念なき憲法改正が叫ばれている。専守防衛を逸脱し、立憲主義を破壊する安保法制を前提とした憲法9条の改悪とは徹底的に闘う。領域警備法の制定と憲法の枠内での周辺事態法の強化を目指す。解散権の制約や知る権利など憲法論議を進める。

 これを読んで、僭越ながら私の評価は、合格点を出せる内容だと思う。もちろん医療・介護・福祉政策の不十分さ、基幹税制である所得税・法人税のあり方等について、政策を持っていないという弱点はある。しかし、今回の選挙の大きな課題である安倍自公政権のファッショ的運営を続けさせないこと、安倍内閣によって踏みにじられてきた立憲主義に立ちかえり、憲法改悪を許さないという大きな課題に対して、ちゃんと国民の立場に立って明確にその立場を打ち出している。そのスタンスが護られるのならば、選挙に向けての公約づくりが間に合わなかった様々な課題についても、国民の立場での政策立案に取組んでくれるであろうという希望を指し示すものになっている。そのことが、国民の希望につながることを期待させる公約になっているのではないか。私は、この公約をそう受け止めることにした。

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