2018年2月28日水曜日

グローバル経済の迷宮 3

 かつて、日本の電機各社は、半導体や情報機器で世界のトップに立っていました。1990年の半導体生産では世界のトップ10に6社が名を連ね、1位から3位を日本企業が占めていました。しかし、一昨年のシャープが買収され、東芝が買収され、NECのパソコンもレノボに吸収されるなど、電機産業は崩壊しつつあるという状況です。

 何故、そんなことになってしまったのか。答えは簡単です。生産を海外に移転する際に、現地で技術指導するわけですが、それにより生産の海外移転だけではなく日本の持っていた技術が海外移転してしまったわけです。国内生産をおろそかにした結果、国内の技術は陳腐化し、新技術の開発では圧倒的な差ができてしまったというわけです。

 技術立国の時代はどこへやら、世界が進化する人工知能(AI)など新たな産業革命のさなかにある中、日本だけが取り残されてしまっている状況です。
 日本は明治維新後、欧米から学ぶことから出発し、技術を改良して魅力的な商品を創ってきました。最近のノーベル賞ラッシュを見ても、日本が発明力で優れていることを物語っています。だとすれば、もう一度モノづくりの原点に立ち返って、新しい研究成果を取り込みながら、安心して使うことのできる良い製品を市場に出すことと真摯に向き合い、新しい時代の要請にこたえる技術者を育成するところからはじめたらどうだろうか。


2018年2月22日付 しんぶん赤旗

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