コインチェックが云々・・というニュースを聞いて、自分の財布の中のコインをチェックすると何かが起るのか?何のこと?正直そう思ったのですよ。良くよく聴いてみると、コインチェックというのは仮想通貨の取引所をやっている会社の名前なんですね。そして、その会社の金庫の中から600億円近い仮想通貨が盗まれるという事件が起った、どうやらそういうことらしいのです。
そして、例によって、調べてみないときが済まない私は、調べるわけです。今まで、あまり気にしてみてこなかったけど、仮想通貨って今どうなっているのかなと疑問に思ったことは、そのままにしないで調べてみることが大事なのです。
仮想通貨は、法定通貨に対して特定の国家による価値の保証を持たない通貨のことです。ビットコインが有名ですが、仮想通貨にはたくさんの種類があって、ドルや円の取引と同じように、仮想通貨の取引が行われており、その取引所の一つがコインチェックだったわけです。
では、そもそも仮想通貨とは何か。ヨーロッパ中央銀行は2012年に仮想通貨を「未制御だが、特殊なバーチャルコミュニティで受け入れられた電子マネー」と定義付けました。さらに2014年、欧州銀行監督局は仮想通貨を「デジタルな価値の表現で、中央銀行や公権力に発行されたもの(不換紙幣を含む)でないものの、一般の人にも電子的な取引に使えるものとして受け入れられたもの」と定義付けています。
日本ではどうかといえば、2016年に成立した新資金決済法の下では、「仮想通貨」は「物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの」又は「不特定の者を相手方として相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの」と定義しました。
日本では、円という通貨が流通しています。円は、日本銀行が貨幣や紙幣というかたちで発行し、国がその価値を保障しているわけですが、仮想通貨は、利用者による仮想通貨自身への信用によってのみ価値が保証されているわけで、価値の変動を主導するのは利用者自身ということになります。
例えば、アメリカに仕事や観光で旅をする場合、円をドルに交換します。今日のレートは1ドル=110円です。これは、日本とアメリカの銀行間の為替相場に銀行の手数料等が加味されて決められます。仮想通貨もこれと同じように、円と仮想通貨を交換することで初めて使えるようになります。
仮想通貨の中で最大の時価総額を持つのがビットコインという仮想通貨で、このビットコインはサトシ・ナカモトを名乗る人物がその仕組みを造り、2009年から運用がはじまっていますが、彼は、正体不明の謎の存在です。そもそもそういう正体不明の人がはじめたというだけで、私は、「これ大丈夫?」と疑問に思うわけですが、それが今や世界を席巻しているわけです。
話を戻しますが、ビットコインの単位はBTCという単位を使います。今日のBTC/JPYの交換レートは、1BTC=952,000円くらいで刻々と変化してます。これは流通単位としては大きな額になりますので、BTCの下に「Satoshi」という開発者の名前を冠した単位が存在します。1BTC=1億Satoshiという関係にあり、基本的にはこのSatoshiという単位で送金できるということなのですが、システムの都合上546Satoshiが最低取引単位とされています。つまり、952000÷1億×546≒5.2 となりますから、今日のレートでいえば、日本円で5.2円で546Satoshiのビットコインと交換できることになります。
ただしリアルな通貨ではありませんので、ビットコインを使おうとすると、パソコンやモバイル端末あるいはウェブ上の財布を使ってビットコインの受け渡しを行うことになります。
ビットコインは電子的な記録ですから、今回のコインチェックのようにネットワーク上のデータを盗まれてしまうというリスクがあるわけです。それを防ぐために、外部ネットワークから隔離された「コールドウォレット」や、送金に複数の秘密鍵が必要なセキュリティー技術「マルチシグ」といった技術が開発されているのですが、コインチェックではそうした安全を確保するための仕組みづくりができていなかったことで、今回の580億円という巨額の資金流出事故が起ってしまったわけです。
リスクを回避する仕組みを活用し安全性が担保されるならば、仮想通貨は便利です。例えば、先日、中国と日本の貿易をしている会社の方の話を聞いていたら、日本から中国に送金するときの銀行の手数料は1万円を超えるのだそうです。5千円の送金をするのに1万円を超える手数料はばからしいですよね。でも仮想通貨なら手数料無料で送金できる取引所があったりしてやり方次第ではコストをかけずに送金できるようです。これからじょじょに仮想通貨の時代になっていくのかもしれませんね。
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