2018年2月14日水曜日

ネット上の流言

誰も暴徒を見なかった―同時代人の常識だった「暴動は流言」

「震災直後の朝鮮人虐殺の原因が、『朝鮮人が暴動を起こした』『井戸に毒を入れた』といった流言であったことはよく知られた事実です。ところが『これらは流言ではなく事実だった』と主張する人々がネット上には存在します。つまり、暴動や井戸への投毒は本当にあったというのです。

 もちろんそんなことはありません。実際には、当時も、震災の混乱が収まった頃にはこうした流言を信じる人はいなくなりました。当時の警視庁の報告も、これらが流言であり、事実ではなかったという認識を当然の前提として書かれています。なぜでしょうか。自分の目で『朝鮮人暴徒』を見たという人が誰もいなかったからです。震災の数ヵ月後には『あれはデマだった』というのが、警察などの行政機関を含む同時代人の常識となったのです。」

 私の嫌いな芸人が司会をやっているワイドナショーで、三浦瑠麗氏が「北朝鮮のテロリスト分子が日韓に潜んでいる」と発言、「とりわけ大阪が危険だ」というようなことを言ったわけです。例によって司会の松本某や東野某がそれが真であるかのようなリアクションで報じたわけです。当然批判が出ます。SNSでもこの議論が盛り上がるわけですが、すると必ず出てくるのが流言飛語の類いです。

 関東大震災のときにも「朝鮮人が暴動を起こした」、「井戸に毒を流した」などの噂が真実のように語られたわけです。実際は、朝鮮人の所為にした日本人の震災最中の略奪行為だったりするわけですが、またぞろそれを持ち出して、三浦某を批判する人権擁護派の発言を封じ込めようとする動きが出るわけです。困ったものだと思っていたら、ちゃんとした方がいらっしゃるんですね。朝鮮人暴動騒ぎの総括をこのWebサイトでちゃんとまとめられておりました。

 こういう情報はとても大事です。事実関係を把握していないと、過去にも井戸に毒を流したことがあったではないか、だから三浦某が言うように、静かに眠っている工作員がことが起れば目を覚まし、同じように何かをはじめるのだ。違うというなら過去の報道が間違っているという根拠を示せ!などと絡んできたときに、ついたじろぐわけです。すると、それみたことかとやり込められることになります。だからね、こういう情報は本当に大事なんですよ。

 関東大震災のときは、その流言飛語を信じた民衆による、朝鮮人・あるいは朝鮮人と決めつけられた日本人の虐殺事件にまで発展してしまったわけです。三浦某はそういう歴史を知らなかったのかわかりませんが、この「井戸に毒」デマ流布事件のように、北朝鮮の工作員がたくさん潜入している「大阪がやばい」などと呟き、それを芸人が「えらいこっちゃ」と騒ぐ姿をテレビが報じたわけです。犯人探しが好きな人たちが、近所の外国人の方の中に「スリーパー・セル」と呼ばれる潜入工作員がいるに違いないと探しはじめ、無実の方の謂れのない迫害につながるのではないかという心配があって、三浦某に対してそういうことは迂闊に言ってはいけない、テレビも不用意にそんな番組を流すなという批判が出ているわけです。

 それもこれも、ルーツをたどれば安倍内閣の北朝鮮に対する圧力強化路線なんでしょうね。そこにテレビ芸人の思慮を欠いた「便乗面白ければ良いや的なシナリオ」ができあがり、その方向性でコメントを言ってくれる専門家として三浦某が抜擢されたということではないかと私は思いますけどねぇ〜。

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