先週日曜日の名護市長選挙の投票率は76.92%と前回と比べると0.21%投票率が増えた。当日有権者総数は4万9,372人でそのうち3万7,524人が投票に参加した。ツイッターなどでの白熱ぶりを見ていたら、もっとグッと投票率が上がるのだろうと思っていたのに、ふたを開けてみればほぼ前回並みという結果だった。
さらに、驚いたのは、新人の渡具知武豊さんの当選という予想だにしない結果となったことだ。いや違う。私自身が稲嶺さんを応援していたこともあり、冷静に戦局を見極める目が曇っていたというべきだろう。客観的にみれば、予想できた事だったのかもしれない。
では、現職の稲嶺進さんが負けた要因はどこにあるのだろう。
名護市長選挙に対して、1万人以上の投票を棄権した人が存在する。その意味では、市長選挙へ向けた市民の意識を、必ずしも高めることに成功しなかったこと、それが敗因の一つではないかとみている。
投票率が前回並みにとどまった要因でもあるが、選挙戦の争点の問題。稲嶺さん陣営は、普天間基地の辺野古への移設反対を争点にした。しかし、相手陣営は公開討論に呼ばれても出て来ず、自民党の大物国会議員を応援に投入し、「争点は基地問題じゃない」「基地問題は国の課題で、名護市民の暮らしの問題こそが市長に問われている」と数々の謀略的なビラ配布も含めて、それこそ徹底的にやった。高校に通う娘さんも一役買って、若者に基地問題ではないという宣伝を徹底した。こうして、争点がそらされたことで、辺野古移設反対が圧倒的な世論であるにもかかわらず、稲嶺さんではなく渡具知さんに投票させることになったのではないか。
実は、基地問題では稲嶺さんと渡具知さんはほぼ同じことを基本政策として掲げている。渡具知さんのホームページにはこう書いてある。「基地問題に関する基本的な考え方は、日米同盟の重要性は認識しつつも、米軍基地が極端に偏在していることは明らかであり、過重な米軍基地の負担軽減は多くの県民が等しく願うところである。従って、海兵隊の県外・国外への移転を求めます。」どこが違うかと言えば「日米同盟の重要性は認識しつつ」というところくらいで、沖縄への基地の偏在、過重な米軍基地負担軽減、海兵隊の県外・国外への移転、などの主張は、稲嶺さんとほぼ同じ主張となっているのだ。
稲嶺進さん、本当にいい候補者だと思う。投票の翌日には、小学生が登校する朝の見守りに立っている。それがいつもの光景なのだ。そういうことを淡々とやれる方なのだ。そういうところにひかれて私は稲嶺さんを応援した。だとすれば、私がしなければならなかったのは、基地問題意外の分野で、稲嶺さんを応援することだったのだ。ところが私自身も辺野古移設を止めることしか頭になかった。私自身が「基地問題」で気負っていたことに選挙が終わってから気がついた。応援していたみんながもしかしたらそうだったのではないか。そして、きっと勝てると錯覚してしまった。残念ながら、そこが今回の選挙の敗因だったのではないだろうか。
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