2018年2月15日木曜日

大株主の資産2.7倍に ~ 広がる貧困

 アベノミクスの5年間とは直接の因果関係がなく私自身の貧困化が進んでいますが、ここで言いたい貧困化はもう少し大きな意味で、私も含む国民全体に貧困が広がっているという話です。

 記事によると、日銀に事務局を置く金融広報中央委員会の「世帯の金融行動に関するアンケート調査」からの推計で、金融資産を持たない世帯が2012年の1,347万人から2017年の1,748万世帯へと大きく増加しているといいます。2017年1月1日現在の日本の世帯数は、5,747万7,037世帯ですから、実に3割を超える世帯が金融資産無しなんです。

 また、東京都の調査で住居を失いインターネットカフェで寝泊まりしながら生活する人は都内で一日当り4千人いると推計されています。そのうち3千人が派遣・パート・アルバイトなどの不安定就労者と見られています。一晩2千円前後かかるとすれば1か月で6万円程かかる計算になるわけで、それならアパートが借りられそうなものですが、アパートを借りるのに敷金や礼金等の初期費用が掛かりますし、仕事が不安定なのでアパートが借りられないわけです。

 そうした国民に広がる貧困の対極に少数の富める人たちが存在するわけです。大株主上位300人の資産が2.7倍に増えている・・・表の一番上に名前のあるソフトバンクの孫さん、株の配当だけで年に119億円です。正規雇用の労働者が一生涯かけて手にする給与の総額が2億円とすれば、一年間で50人分の生涯賃金以上の株の配当を受け取るわけです。

 私は、「政治の意味は、自由である。」というハンナ・アーレントと同意見を持っています。社会を構成する一人ひとりが自由であること、これが一番大事なことです。こういうと、自由に競争した結果、莫大な金を手にした人がいるのだから、それでいいではないかといわれるんですが、同時に、もう一つ大事なことがあって、それは、「他者の抑圧の上に成立する自由は真の自由ではない。」ということです。そこにこそ政治の役割があって、一つの社会を構成する富める者と貧しき者がともに同じように自由である状態をどう作り出すのかが政治の責務だと考えています。

2018年2月14日付 しんぶん赤旗

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