2016年2月29日月曜日

年収200万円未満

年収1億円超 と 年収200万円未満

世界の1%の富裕層が全世界の富の50%を所有

年収1億円超がいる一方で、就業者の28.3%が年収200万円未満だという。また、世界の1%の富裕層が持っている資産と、残りの99%の人たちが持っている資産の総額が同じくらいだという推計もある。富の少数者への集積と対極にある労働者・国民の貧困の拡大、その格差がますます拡がっているようだ。

少数者の富の源泉がどこにあるのかは明らかで、労働者を低賃金でこき使いながら搾取しているところに全ての富の源泉がある。マネーゲームで儲けようが、株で儲けようが、富の源泉は変わらない。むしろ単純な商品生産からの搾取よりも、さらに巧妙になっていて、気がつけば賃金は1997年を境に減少の一途をたどっている。富める者はさらに富み、労働者国民は何重にも搾取されますます貧困になって行く。少なくともこの20年、国民にとってはそんな状態が続いてきた。

私が今仕事にしている介護の世界は、そんな低賃金に喘ぐ日本の雇用労働者の中でも最も賃金水準の低い状態にある。先日、うちの職員から「1か月真面目に働いても、手取り12万円にしかならず、暮らしていけないので内職をさせてください」という相談を受けた。とても駄目だとは言える状況にないことは明らかで、就業規則は、他の法人と雇用契約を結ぶことを禁じているけど、内職ならいいんじゃないかと返事をした。もし、法人から叱られるような場面があったら、私が認めたといって護ってやるからねと付け加えておいた。

私が大学を卒業した35年前、最初にもらった給料は手取り9万円(初任給13万円くらいだった)ほどだったと記憶しているが、介護の現場で働いて10年になろうかという現場のリーダー的役割を果たす職員で手取り12万円とはいくらなんでも酷すぎる。もちろん、うちの法人の給与規程が低いというのが直接の原因だが、その程度の給与しか払えない介護報酬の水準に問題があることはいうまでもない。

この間、全国の空き家が1千万戸を超える勢いだと聞いた。人口減少期に入り、ますます空き家が増える。そこにマンション建設がさらに空きや増やしに拍車をかける。私は、標準的な住まいは無償で国民に提供する仕組みを作ったら良いと思う。標準的な家で満足できず、金を持っている人は自分の資金で自由に家を造ったら良い。労働者・国民には無償で住処が保障されるとなれば、今の賃金水準でも暮らしていける。そういうところに税金を投入するのが正しい使い道というものだ。

今のように、軍事費に5兆円もかけ、大企業には減税してやって、消費税は増税し、社会保障はますます受益者負担を強化する・・そんなことで労働者・国民の幸せはやってこない。政治の役割は、労働者・国民が笑って暮らせる世の中を作ることだと私は信じており、そのためには、住居、教育、医療は現物給付されることが必要だと思っている。それらが無償で提供されるのならば、12万円の手取りでも飯は喰える。一生懸命働く労働者が安心して暮らすためにはそのくらいの大胆な政策の転換が必要だと私は思うよ。

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