2016年2月1日月曜日

甘利さんの閣僚辞任劇から学ぶ

甘利さんは「政治家の事務所は良い人とだけつきあっていたら選挙に落ちる・・」というようなことをおっしゃった。ここには色んな問題が含まれている。

一 番大きな問題は、選挙制度だろうな。小選挙区制が選挙戦を変えたと言って良い。とにかく一人しか当選しないわけだから、一票でも相手よりも多く票を取らな ければ駄目なんだなぁ。そのためには袖の下を用意して口利きを頼んでくる人ともつきあっておかなければならない・・そんな気持ちになるのも小選挙区制の所 為だと思う。

前回の総選挙のときの自民党の得票率は24.49%にすぎない。日本が100人の村だったら(ちょっと昔に流 行りましたよね・・)、25人が自民党に投票したに過ぎないんですよね。75人は自民党以外に投票しているか、投票に参加しなかったかなんです。それでも 議席は76%を占めてしまう。小選挙区制とはそういう選挙制度なんですね。

妥協が生まれる余地がないので政策の結果をはっ きりと評価でき責任の所在が明確だといわれるが、圧倒的多くの少数者の意見を排除しているだけに過ぎず、結果として、国民の声は無視されるということにな る。加えて、一票格差が大きく、前回の総選挙も憲法違反という判決が出されている選挙区がある。

僕は、県又は地方を単位と する中選挙区制が最も優れていると思う。一票格差をなくし、色んな意見を持った議員を生み出すことができる。それがファシズムの台頭を防ぎ、数をたよりの 暴力的な国会運営を許さない担保となる。何かを実現しようとするとき、反対意見も含めて熟議することで初めて合意に到達する。国の政治はそのくらいで丁度 いい。特に、昨年の安保関連法案、集団的自衛権の容認、自民党の憲法草案などを見ているとその思いがより強くなる。

しかし、政権与党は今、我が世の春を謳歌している真っ最中。それを無に帰すような選挙制度改正は望むべくもないということだろうな。

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