2016年2月16日火曜日

功を奏すマスコミ対策

テレビでは立派なコメンテーターの方々が、したり顔で清原がいつから覚せい剤に手を出していたのかだの、どこそこで母親が子供を殺害した心の闇はどこにあるのかだの、育休宣言した自民党の国会議員が何人の女性と不倫していただの、さもそれが国民の関心事であるかのように喋っている。だいたい、マスコミがこうやってしょうもない出来事に国民の目を向けようとしているとき、その裏で国民にとってよからぬ事態が進行しているといって良い。

例えば、2月4日はTPP調印式がニュージーランドのオークランドで執り行われ、本来なら甘利さんが行くつもりだったのだろうが、例の口利き料事件で大臣を辞任したもんだから、甘利さんが参加できず高鳥修一内閣府副大臣が和装で参加してインターネット上で一寸だけ物議を呼んだが、テレビには出なかったよね(私が見なかっただけかもしれないが・・・)。で、2月15日には基地問題で翁長沖縄県知事が法廷に立って2時間40分をかけて「日本の将来のため(辺野古埋め立て工事中止)の判断を」と訴えたが、これもテレビではほとんど取り上げられなかった。

TPPも普天間基地の辺野古への移設も日本の将来にかかわる重大な問題なのに、テレビは清原の覚せい剤事件や自民党の宮崎謙介衆議院議員(当時)の不倫騒動のような下衆の極みのような事件ばかりをとりあげる。もちろん覚せい剤は使用禁止薬物だし、そんなものを使って体をぼろぼろにするのを放っておくのは違っているし、育休宣言した本人がその休日を使って嫁さん以外の女性を部屋に泊めるというのも育休をまじめにとっている人を愚弄するような話で許しがたい。しかし、そんな事件は一回取り上げればいいだろう、何日も追加取材して追いかけるような事件ではない。むしろ影響力の大きい清原が覚せい剤をやっていたという事実に反応して試して見ようという輩まで出てきそうで、むしろあまり過敏に反応しないほうがいいくらいだ。

でも、テレビはあえてそうしたちょっとしたセンセーショナルな事件を追っかけて国民の目をそちらに向けさせ、本当に国民生活に深刻な影響を与える問題を国民には知らせないように努力している。テレビマスコミと安倍さんの料亭での密会(?)は周知の事実で、ひとえに、料亭で酒盛りをする仲間同士の申し合わせなのだろうが、国民はたまったものではない。なんせ、知らないうちに自分たちの首を絞めるような政治がじわじわと進んでいってしまうのだからね。

いよいよテレビは政権与党の広告塔に成り下がってしまったようで、なんとも歯がゆい気がしているのだが私にできることは、せいぜいそんなテレビは見ないという決意をするくらいのことで、そうした不条理を解決することにはつながりそうもないから困ったもんだ。

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