2017年11月30日木曜日

日馬富士引退

 横綱日馬富士の引退会見を見ました。横綱としての責任をとって引退するということですが、貴ノ岩関に対しては、「礼節」「礼儀」をわきまえない若い奴にそれを教えてやっただけだと言い、怪我を負わせたことに対する明確な謝罪はありませんでした。

 結局、日馬富士関は暴力・暴行を間違っていたと思っていないのでしょうね。いかなる理由があったとしても、暴力は駄目です。でもね、理由もなく暴力に及ぶということもまたあり得ないと思うのです。貴ノ岩関の側に「礼節を欠いた」態度があったというのが事実なのか、また、その内容はどのようなものだったのか、不明確なままです。また、深夜のスナックの個室で、実際に何があったのか、これもまた良く分からないままです。貴ノ岩関本人が何も語らないので、貴ノ岩関のお兄さんや、元旭鷲山さんや、元横綱朝青龍さんなどがいろいろと発言し、それをマスコミがうまく編集してニュースで流しています。

 貴乃花親方は近い新聞には本音(?)を語っているようで、モンゴル出身力士が土俵外で親睦を深めることには反対で、土俵の上で相撲を通じて語り合えというようなことを言っているようです。だから貴ノ岩関は、日頃はモンゴル力士会に出席できていなかったようですね。久しぶり(?)にモンゴル力士会に参加して事件に巻き込まれたということのようですね。
 貴乃花親方はモンゴル力士会の存在を良く思っていなかった、だからこの暴力事件を使ってモンゴル力士会を解散させようとしている(?)そんなうがった見方もあるようです。貴乃花親方の相撲協会へ協力しない、貴ノ岩関の事情徴収を認めない、警察への起訴にこだわる様子を見ていると、もしかしたら腹の中にそんな策略を抱いているのかもしれないと思ってしまいます。
 暴力は断固認めるわけにはいきませんが、ことを大きくして自分の主義主張を通すというようなことがもしあるのならば、それもまた許すことはできないです。貴ノ岩のお兄さんも日馬富士に相撲をやめてほしくないと言っていますし、もしも貴ノ岩もそう思っているのなら、貴乃花親方の行動がどうだったのかということも検証されなければならないでしょうね。

 ただ、責任の取り方は引退しかなかったんでしょうか。確かに横綱が起訴されるということになると責任を問われることは間違いないですが、引退ではなく、横綱から平幕に降格してもう一度やり直す機会を用意しても良いと思うんですよ。どっちにしても何があった、誰が悪い、という犯人捜し的な対応に終始したマスコミの問題や、罪を罪として素直に認識できない相撲界そのものの体質を見直すことなど、本質的な問題に関する検討が進んでいないことがどうなんでしょうね。日馬富士引退でこの問題の幕引きがされるということだと、あちこちに不満の火種がくすぶって、同じような問題が再発する可能性が残ってしまうのではないでしょうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿