安倍政権 政策を米経済学者に聞く
安倍首相は、官邸に米国のノーベル賞受賞学者であるスティグリッツ氏やクルーグマン氏などを招いて、「国際金融経済分析会合」を開催した。趣旨は、来年4月に予定されている消費増税を延期すべきかどうかについて、彼らのアドバイスを求めることだと報道されている・・・
もし本当にそうなら、おかしな話だ。経済学者の意見を聞くまでもなく、しっかり国民と向き合い、国民生活を直視し、どんな問題を抱えているのかよく見れば、おのずから答えは見えている。
大企業減税と抱き合わせの消費税増税なんかやるべきではないことは明白だ。例えばトヨタ自動車(豊田章男社長)は、2008年度から12年度の5年間という長きにわたり法人税(国税分)を1円も払わない一方、株主には1兆円を超える配当をしたうえ、内部留保も増やしている。
こんなことが起こるのは、海外生産を08年度の285万台から12年度には442万台に増やし、428万台の国内生産を上回り、この結果、「国内で生産し、輸出で稼ぐ」という従来の姿ではなく、「海外で生産し、稼いだもうけを国内に配当する」という収益構造に変化していること、海外子会社からの配当を非課税にする制度がつくられたこと、研究開発減税などの特例措置を受けていること、「輸出戻し税」で消費税をかえしてもらえること、などなどいくつもの優遇策に守られているからだ。その結果、内部留保を増やしながら税金は払わないといった不思議なことがおこっている。
その一方で、安倍政権が発足して以来、国民の中に貧富の格差が広がり、現代社会で古典的貧困が顕在化する事態が進んでいる。さらに、貧困の姿が見えにくい現代的貧困も増加しており、国民生活は疲弊し続けている。そんな時に消費税の増税などもってのほかだ。
富めるもの、国民から搾取しているものからしっかり税金を負担させ、憲法で保障されている「健康で文化的な最低限度の生活」をきちんと保障する。そこにしっかり立脚して政策をつくっていくことが、今、安倍政権がしなければならないことなのだ。
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