2016年11月29日火曜日

地球を守る

世界の野生動物、2020年までに3分の2絶滅も

 世界自然保護基金(WWF)は27日、最新の報告書で地球上の野生動物について、しかるべき対策を講じなければ2020年までに全体の個体数の3分の2以上が絶滅する恐れがあると発表しました。

 生物多様性を脅かしている最大の要因は、生息地の消失と劣化。また資源としての過剰な利用や気候変動(地球温暖化)、外来生物、汚染など、いくつもの影響が指摘されています。そして、その背景にあるのは人間の活動です。

 「生物生産力(バイオキャパシティ)」とは、自然が持つ木材や水産物(シーフード)、安全に利用できる水などをもたらす生産力や、森林が大気中の二酸化炭素(CO2)を吸収する機能といった、「生態系サービス」の供給力を意味します。「生物生産力(バイオキャパシティ)」には当然、地球1個分という「限界」がありますが、2012年の時点で人間が一年間に消費した自然資源は、実に地球1.6個分に相当するそうです。自然の持つ回復力と、その母体の環境そのものを犠牲にする形で、大規模な消費が続いており、このままではいずれ、多くの野生生物が絶滅に追い込まれ、自然資源は枯渇し、結果として人類も健康で文化的な生活を送ることができなくなるというわけです。

 しかも、2012年時点の、日本国民一人当たりの「エコロジカル・フットプリント(さまざまな自然資源の消費をはじめとする人間活動が、地球環境に与えている圧力の大きさを示す指標)」を計算すると、世界中の人が日本人と同じ暮らしをした場合、一年間に必要とされる資源の量は、地球2.9個分になるといいます。日本人の暮らしは地球環境に対する大きなダメージを与えているんです。

 「交通」「住居・光熱費」などのフットプリントを下げていく必要がありますが、石油・石炭に由来したエネルギーから再生可能エネルギーへの転換が待ったなしの課題です。当然のことですが、原子力もだめ!CO2を出さないといいますが、核廃棄物の最終処分が出来ない状態の中で、その管理には膨大な費用がかかっています。

 食料生産の母体となる土地や海の利用に支えられている「食」の問題は、地球上で広く自然が失われている現状に影響を及ぼしています。また「食」においては、食料が大量に廃棄される問題も指摘されています。日本は先進国の中でも食料自給率が低く、外国から大量の食材を輸入していますが、実にその18%は廃棄されているという現実をご存知ですか?この食料廃棄の量を減らし、食のムダをなくすだけでも、農業や漁業などによる地球環境への負荷を抑えることができるのです。

 何とかしないといけない。一人ひとりがそれに気づき、できるところから具体的な取り組みを始める・・・それ抜きには人類がこの地球で生きていくことそれ自体が不可能になってしまう。そんなことを考えさせられたニュースでした。

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