日本円で外国の通貨を買うという取引(外国旅行の時の両替をイメージすれば良い。)のことを外国為替取引という。例えばこれを書いている今、1ドル=112円で取引されている。つまり、今、外国に行くために円をドルに交換すると、このレートで交換できるのだが、両替商の手数料が2~3%程度かかるので、1ドル3円前後の手数料が必要となり、実際には1ドル=115円くらいということになる。
この1ドル=112円という交換比率のことを為替レートという。為替相場と言ったり、単にレートということもあるが、外国の通貨と円を交換するときの比率が為替レートである。国際為替市場で中心に扱われる通貨のことをキーカレンシー(基軸通貨)といい、第二次世界大戦後は、アメリカがIMF体制の下で、各国中央銀行に対して米ドルの金兌換を約束したこと、及びアメリカの経済力を背景に米ドルが名実共に基軸通貨となっている。
ここで疑問になるのは、「何でお金の値段が変わるの?」ということだろう。為替レートがどういう仕組みで変動するのかをしっておくことは、単に、FXが何かを知ることだけでなく、国際経済の循環を理解するためにも役に立つ。
まず、最初に想像されるのは貿易だ。アメリカの景気が良くなって、日本からアメリカへの輸出が増えたとする。日本の輸出企業は、売り上げを最終的には円で受け取らなければならない。アメリカの輸入業者がドルで支払ってきた場合は、日本企業がそれを円に交換する必要がある。また、アメリカの業者が円で払おうとすれば、ドルを円に交換しておかなければならない。いずれの場合でも、日本からの輸出が増えた分円が必要(円の需要が増える)になり、ドルで円を買う(ドルの供給量が増える)ことになる。普通の商品と同じように、需要が増えれば値段が上がり、供給が増えれば値段が下がるというわけだ。
輸出入以外にでも、例えば、「オーストラリアの預金金利が高いので、口座を開きませんか?」など外貨預金を進められて経験があるが、外貨預金をする場合でも、相手国の通貨を円で買うことになり、この場合だとオーストラリアの通貨(オーストラリア・ドル)の需要が増え値段が上がることになる。
このほかにも、各国の通貨政策によって、その国の通貨供給量が増えれば値段が下がるし、国際収支の動向も為替相場に影響を与える。為替市場に参加する人たちはこうしたファンダメンタル(基礎的事項)を念頭に置いて相場の動きを見て、売ったり買ったりを繰り返している。実際に為替相場を動かしている人たちは、経済や政治の動き、自然現象など様々な要因を見たり、聞いたりして、多くの市場参加者が何を買おうとしているのか、売ろうとしているのかを見極め、為替売買を行っているのだ。
株式の取引が大きな資金を必要とするのに対して、FXは小額から始めることができるので、バイナリーオプションと同様比較的入りやすい。対象も通貨だから、メインとなるのはドル、ユーロ、ポンド、フランなど限られており、株式のように個別企業の業績を追う必要はなく、円安か円高かという大きな流れをつかんでおけばよい。
まず、FX取引業者や証券会社に口座を開設し、お金を担保として預け入れる。これが証拠金で、FX(外国為替証拠金取引)の名称の由来になっている。単なる預金と違うのは、レバレッジという仕組みで、証拠金の何倍という設定ができるようになっており、業者によっては400倍という高いレバレッジが可能というところもある。つまり、少ない資金で大きな買い物ができる仕組みが用意されているということだ。
しかし、逆に言えば、手持ちの現金を超えて例えばドルを買った場合、値が下がった場合には元手がゼロになってしまうリスクも抱えることになる。となると、こまめに値動きをチェックし、売り買いを繰り返さないと利益が出せないということになり、少なくとも、働きながら片手間でやっていたのでは利益を出すことは難しいと言わざるを得ない。
これも、多くのお誘いがあるが、私が手を出せる代物ではなさそうだ。LINEなどでしきりに誘ってくる若い子たちは、本当に、これで儲けているのだろうか?本当に、これだけで生活しているのだろうか?はなはだ疑問であり、参加者を集める広告塔として使われているのではないのか、そんな気がして仕方ない。
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