SNS上で良く分からない言葉の一つが「パヨク」。なんだパヨクって?「パヨクのツイート」云々とか、「パヨクのデモ」云々とか、「パヨクってバレバレ!」みたいに書いてある。文脈からすると「パヨク」=「左翼」=「日本共産党支持者あるいは党員」という意味のように読み取れる。わざわざパヨクって言わなくても左翼で良いじゃないか!という話なんだけど、何故わざわざパヨクというのか?気になったので調べてみた。
何でも、野間何某という方が2013年1月に「レイシストをしばき隊」を結成。本当に警察関係者に対する暴力や彼らが「レイシスト」と呼ぶ人たちの行動に対する過激な妨害・対抗活動を繰り返し逮捕者を出し、その後、「対レイシスト行動集団(Counter-Racist Action Collective、略称C.R.A.C.(クラック))」に名称変更しています。そのクラックのメンバーの一人が、某漫画家の支持者の名簿をネット上に公開するという事件があったらしい。
そして、どうやらこのクラックの活動をSNSで拡散していた人のアカウント名が「ぱよぱよちーん」という人のようなんですね。そして、このネットに個人情報を書き込んだ事件をどうやら「ぱよぱよちーん事件」と呼んでいるようです。
クラックの活動が左翼の活動と呼べるかどうかについては良く検証してみないといけないと思いますが、「ぱよぱよちーん」+「サヨク」から「パヨク」という言葉が生まれたということのようです。千葉麗子氏が「パヨク」という言葉を使った本を出版するなどしたことでネット上で一気に広まった言葉だとネットに書いてありました。
千葉麗子氏は、「劣化した左翼を揶揄する意味を込めた言葉が『パヨク』だ」としています。千葉さんの発言が他にもインターネット上に紹介されていますが、クラック等いろんな団体を全部まとめて共産党関係者と書いているあたり、もう少し勉強されたほうが良いとは思いますが、いずれにしても「パヨク」は、褒め言葉ではなく共産党関係者に対する批判的な意味を込めた言葉ととらえて間違いなさそうです。
右翼団体にだっていろんな組織があって、必ずしも一つにまとまっているわけではないように、「左翼」だっていろんな団体があって一つにまとまっているわけではないですよね。それを千葉さんはパヨク=共産党関係者として発言してますし、ネットでも概ねそのように書いています。そうするとね、何か問題があった時に、何でもかんでも共産党がやったことになってしまって、これは事実をゆがめることになってしまいちょっと危険です。
こう見てくると、パヨクって、正確な定義づけもできない、曖昧な言葉ですね。私ですか?私は、もちろんパヨクではありませんよ。
そしてもう一つ、ネトウヨ。これも初めて見た時なんじゃこりゃ?という感じだった。困ったときのWikipediaで調べてみると、「ネット上の右翼的、保守(≒復古主義)的、国粋主義的な性向を持つ人々を指す」とあります。メディアによるレッテル貼りだという批判がある一方で、小林よしのり氏はネトウヨのことを「国家というものを持ち出しさえすれば自分自身の自意識を底上げできる、という人間」だと批判しているように保守派からの厳しい意見にさらされていたりします。保守派評論家の西部邁さんは「ある種の反知性主義としか言いようのない、下品な言葉遣い、他人に対する誹謗中傷、罵詈雑言がある」とさらに厳しい意見を発信しています。
「ネット右翼」という言葉は1990年代の後半、インターネット上のT-cup掲示板で使われたのが最初で、その時は自称「ネット右翼」というように使われていて、差別的な用語でも何でもなかったのです。また、「電脳右翼」という言葉も並行して使われていました。
パヨク同様、ネトウヨも論者によって意味内容が異なり、定義も曖昧な言葉です。どちらもある種のレッテル貼りで、相手を酷くけなすために使われることが多い言葉です。使いたくありませんし、使われたくない言葉だなというのが私の結論。
【追加】
ミソジニストって言葉、つい最近見かけるようになりました。MACブックを使っているんですが、「みそじにすと」を変換すると「三十路ニスと」となりました。それで、三十を過ぎた人に特有の何か(それはまだわからないんですが・・)をやってる人という意味か、何をやっている人なんだ?と思っておりました。
SNSの書き込みを注意深く読んでいると、女性や女性らしさを嫌悪する人物をミソジニストのことをさしているようなんです。そこで一寸調べてみるとギリシア語の μισος misos (嫌悪、憎しみ)と γυνε gune(女性)に由来する言葉のようですね。どうやら女性・女性らしさに憎しみを感じる人のことをミソジニスト(misogynist)と呼ぶということがわかりました。
私は、女性や女性らしさは大好きですので、ミソジニストではありませんよ。
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