2017年12月11日月曜日

hate

 ”hate” 「はて?」ではなく「ヘイト」である。少し前、ヘイトスピーチを繰り返すデモに遭遇してびっくりした。「殺せ」とか「日本から出ていけ」とか、まあなんと恐ろしいものだと心が萎びたようになってしまったことを鮮明に覚えている。

 2016年5月24日「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取り組みの推進に関する法律」通称「ヘイトスピーチ解消法」が成立しており、もうこういうのはなくなったと思っていたので、本当に驚いた。実は、この法律「不当な差別的言動は許されないことを宣言」し、人権教育や啓発活動を通じて解消に取り組むと定めた理念法で、罰則がないんだね。差別的言動の解消に向け、国や地域社会が、教育や啓発広報、相談窓口の設置など「地域の実情に応じた施策を講ずる」よう定めているけれど、罰則がないので、完全に止められないということのようだ。

 特に、在日朝鮮人の方に対する酷いシュプレヒコールを聞いていて気分が悪くなった。そもそも遺伝的な研究が進み、「ミトコンドリア・イブ」と呼ばれる人の細胞内のミトコンドリアのDNAの多型をつかって遺伝的なグループ分けがなされているわけだけど、その結果などを見ると、日本人の35%はハプログループDで中国中部から朝鮮半島を経て日本に辿り着いたグループ。つまり、たまたま国籍が日本ではないだけで、遺伝的には同じ民族なんだよ。むしろ、大陸の住人が先祖といった方が正確ですよね。

 そんな同族を蔑み、脅し、虐める行為はもう止めにしよう!そう言いたい。同時に、何故ヘイトスピーチなどというものが生まれたのかを明らかにしておきたいとも思っている。それで、いろいろと考えたのだけれど、次のことに思い当たった。
 朝鮮人に対するヘイトの源泉は、一つには朝鮮半島と日本の関係の歴史、つまり大東亜共栄圏の建設の名のもとに東アジアを支配しようとしてきた歴史の中で、他国民を劣等民族として扱うことが当然のことのように行われてきた歴史の中にある。そして、そこに新自由主義による「勝ち組」「負け組」の言葉に象徴される競争原理の押し付けが、日本の労働者・国民に与えた影響、つまり負け組となった者が、常に下位の者を見出すことで自らを慰め、それが歴史的に払拭しきれない劣等民族意識と結びついたときに、ヘイトとして現れているのではないかというアイデアを思い付いた。

 その時は、動揺して何もできなかったのだけれど、こんな風にヘイトスピーチがどこから来るのかを考えることで、今度は闘える気がしたのでした(闘うといっても喧嘩するということではありませんよ、念のため。)。

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