昨年11月厚労省が公表した生活援助を月90回以上利用している事例の自治体調査によると、その8割は認知症の利用者で、7割は独居でした。買い物に始まって3食の調理、配膳・下膳、服薬確認、掃除、洗濯など生活援助が在宅生活を支えていることがはっきりわかります。自治体は96%の事例を「適切またはやむを得ないサービス利用」と判断していました。この時点で、利用制限を求める根拠は完全に崩れています。
それにもかかわらず押し切ろうとしている背景には、何が何でも介護給付費を抑えようとする政府の狙いがあります。財政当局の言いなりになった実態に合わない介護保険の改悪だということができます。
生活援助の平均利用回数にもとづく統計処理上の数字で、届け出基準を決めようとしていますが、特に認知症の場合、個別的な支援が大切で同じ要介護度であってもサービスの必要性は一人ひとり異なります。そのためケアマネがしっかりアセスメントしてケアプランを立てているわけです。それを一律の基準で届け出させること自体、介護保険の趣旨とは相容れないものです。
しかもケアマネが届け出たケアプランは「地域ケア会議」で検証するとしていますが、ヘルパーも利用者も家族もいない中で検証され、利用制限ということになればケアマネと利用者・家族との信頼関係は損なわれてしまいます。
利用制限につながる、ケアプラン上の生活援助の利用回数届け出ルールは導入するべきではありません。
2018年4月16日付 しんぶん赤旗 |
同 しんぶん赤旗 |
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