2018年4月23日月曜日

生活保護費削減

 「ただ死んでいないだけの生活になってしまう」…政府が狙う生活保護費削減への不安をこう語るAさんの暮らしぶりは慎ましやかだ。風呂は使わず何日かに一度のシャワー、月に1度の生活保護の利用者や支援者が交流する場に参加することを楽しみに、病気を抱えて療養生活を送っている。Aさんは「保護費が減らされれば、もう削れるのは人と会うための費用くらい。ひたすら節約し命をつなぐだけの生活になってしまう。削減は止めてほしい。」と訴える。

 安倍政権の生活保護費削減計画は、一般低所得世帯の消費支出との比較に基づき、10月から日常生活に充てる生活扶助費を最大5%引き下げ、総額210億円を削減するもの。日弁連貧困問題対策本部の坂田弁護士は、「憲法が否定する劣等処遇の考え方によるものだ。」と批判する。
 劣等処遇とは19Cイギリスの貧困者救済制度で原則とされた救済する人の生活は最下層の労働者以下とするという差別的な考え方で、救済から遠ざけようとするものだ。日本国憲法は第25条で、全ての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有し、国はあらゆる部面でその権利を保障する義務があるとしている。この25条に立ち返り生活保護制度が健康で文化的な生活を保障する仕組みとして機能するよう改善していくことこそが求められている。
2018年4月13日付 しんぶん赤旗

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