安倍総理は、朝日新聞を目の敵にしたりして、森友学園・加計学園問題をめぐる報道が気に入らないということを態度で表していますが、この放送制度改革は安倍総理の意向を強く反映したものだと言われており、政府が報道に介入して政権を批判する報道を封じ込めようとする意図があるといわれています。
2018年3月29日付 しんぶん赤旗 |
そもそも放送法は、国民を戦争に駆り立てる道具になった戦前の放送事業の教訓をふまえて、同じ過ちを繰り返さないために制定されたものです。放送法第1条には「放送による表現の自由を確保する」とその目的がうたわれています。
目的を確認したうえで、問題の第4条の規定を見ておきます。
(国内放送等の放送番組の編集等)
第四条 放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
一 公安及び善良な風俗を害しないこと。
二 政治的に公平であること。
三 報道は事実をまげないですること。
四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
2 放送事業者は、テレビジョン放送による国内放送等の放送番組の編集に当たつては、静止し、又は移動する事物の瞬間的影像を視覚障害者に対して説明するための音声その他の音響を聴くことができる放送番組及び音声その他の音響を聴覚障害者に対して説明するための文字又は図形を見ることができる放送番組をできる限り多く設けるようにしなければならない。
この第4条が撤廃された何が起るかといえば、放送における表現の自由や、国民の知る権利が根本から破壊される可能性があるということです。
2018年4月11日付 しんぶん赤旗 |
1月31日、楽天等ITやベンチャー企業が主導する新経済連盟の新年会で安倍首相は、「ネットでありますから放送法の規制がかからない。しかし見ている人たちにとっては地上波等と全く同じです。もう日本の法体系が追いついていない。私たちは大きな改革を行わなければいけない。」「改革を進めて行くためにもみなさん、どうかリスクをとってどんどん手を挙げていただきたい。」…気心の知れたIT事業者たちに放送事業に参入してもらい、政権批判ではなく、自分に都合の良い番組を放送して欲しいという狙いが透けてみます。
森友学園問題、加計学園問題で公文書の改竄までやってのけた安倍政権を応援する事業者が、安倍政権に都合の良い情報を選択して、なおかつ、安倍政権に都合の良い粉飾を加えて番組が編成されるということになったら、国民の知る権利は大きく侵害されることになります。
私は、インターネット配信される番組にも放送法を適用するように、放送法に少しだけ手を加えれば済む話だと思います。インターネット配信番組にも放送法第4条を適用し、「政治的公平」、「公安および善良な風俗を害しないこと」、「報道は事実を曲げないですること」、「意見が対立する問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」を求めて行くことこそ必要なことではないでしょうか。
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