2018年4月11日水曜日

もんじゅ廃炉計画

 もんじゅは、MOX燃料(プルトニウム・ウラン混合酸化物)を使用し、消費した量以上の燃料を生み出すことのできる高速増殖炉の実用化のための原型炉であり、高速実験炉常陽でのデータを基に建設された、日本で2番目の高速増殖炉です。

 1991年5月18日運転開始、94年4月に初臨界達成後、原子炉の特性を確認し、1995年2月より原子炉出力を段階的に上げる試運転を進めました。原子炉出力約45%での試験のために、原子炉出力を徐々に上昇させる操作を行っている時に、ナトリウム漏えい事故が発生しました。
 中央制御室に「中間熱交換器C2次側出口ナトリウム温度高」という警報、また、同時に火災検知器(煙感知器)も発報しました。さらに1分後、「C2次主冷却系ナトリウム漏えい」という警報が出ました。これは、2次主冷却系Cループの配管室でナトリウムが漏れたことを示しています。しかし、これを過小評価した担当者が通常の手段で原子炉を停止させようとしている最中に複数の検知器から発報があり白煙が増加していることが確認され原子炉の緊急停止が行われました。
 当初その事故を隠蔽しようとしたことから、世間の非難を浴びることになりました。運転再開のための本体工事が2007年に完了(12年もかかったのですね)し、2010年5月6日に2年後の本格運転を目指して運転を再開しましたた。しかし、2010年8月の炉内中継装置落下事故により、再び稼働ができなくなった。2012年に再稼働する予定であったが実現せず、結局、2016年12月21日廃炉が正式決定されました。

 そのもんじゅの廃炉計画が認可され、これから廃炉作業が進みます。詳細は記事を読んでいただきたいと思いますが、廃炉作業全体は30年の長期にわたる作業になり、しかも、使用済みMOX燃料の再処理をどうするのか、処理後どこに廃棄するのか等々まだ決まっていないのです。原子力は人のコントロールできるものではないのですよ。そんなものをベースロード電源に位置付けるなんてことをいつまでやっているつもりなのですかと言いたいです。

2018年3月31日付 しんぶん赤旗


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