2018年3月19日月曜日

前川さんの授業に介入

 安倍政権の教育介入問題、『文科省から名古屋市教育委員会への要請メール』を見ると、公立中学校の授業の一つに執拗に絡んでくる文科省の対応に違和感を通り越して、教育を政治が統制しようとしているように感じます。

 教育の根幹には基本的人権があります。「基本的人権」とは、言い換えると「自分らしく生きていく権利」ということです。「たとえ100人のうち99人が賛成しても一人に対して犠牲を要求してはならない問題」です。
 国旗国歌法の制定以降、「強制しない」という国会答弁とは裏腹に、全国の学校現場で「君が代」斉唱時に起立しない教職員に対する処分が強化されていきました。この問題は教職員の労働条件(服務規律)の問題だと考えられがちですが、そうではありません。
 この問題の本質は、身を挺して子どもの良心の自由を守ろうとする教師たちを、国や県や教育委員会が、学習指導要綱の「国旗・国家への理解」をたてに抑圧しているということです。何故そんなことをするのかといえば、公教育を通じて、戦前のような「国家への服従と忠誠心を持った国民」を育てようという意図があってのことなのだろうと考えています。そんな教師たちが、子どもや親や社会から顧みられなくなり、孤立していった時、子どもたちの良心の自由を育てるための環境は死に絶えることになるでしょう。

 前川氏の授業に対する文科省の介入は、政治の教育への不介入が大原則の教育基本法に明確に違反しています。しかし、校長や教育委員会がきちんと対応されていて、そこに教育に携わる人たちの誇りを感じることができ、日本の教育現場を頼もしく思いました。
 



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