2018年5月22日火曜日

ベースロード電源は不要

 ベースロード電源とは何か?海外文献でベースロードの定義を見ると次のように書かれています。
Base Load: The minimum amount of electric power delivered or required over a given period at a constant rate.
 愛用している翻訳ツール(Google翻訳)によると「所定の期間に一定の割合で供給または必要とされる電力の最小量。」ということになります。このベースロードを供給するのがベースロード電源です。しかし、このベースロード電源については、海外ではすでに過去のものだとする説が有力になっています。例えば『ベースロード電源は21世紀にふさわしいか?』と題したEnergy Democracyのホームページを読むと「再生可能エネルギー(以下、再エネ)が大量に導入された場合は石炭火力や原子力を硬直的に一定出力することが難しくなり、ベースロードという概念にとって代わる柔軟な系統運用が必要であることが示唆され」ています。
 要するに、太陽光の有無に左右される太陽光発電や風が吹くかどうかに影響を受ける風力発電などで電力をまかなう場合、曇りの日や夜間、無風の日の電力需要に対応して電力を供給する発電が必要となるわけですが、原子力や石炭火力などでその一定の期間の必要最小量の発電をしようというベースロー電源は、いったん発電が始まったら発電量をコントロールできない原子力発電では、発電量が不足するときにのみ発電するといった柔軟な運用ができないので、そもそもベースロード電源という考え方はとらないという国が増えているというわけです。

 日本は相変わらずベースロード電源としての原子力に固執し、30年先でもまだ原発をベースロード電源として使うと言っているわけですが、再生可能エネルギーが主力発電の国が増えつつある中で、日本のエネルギー計画は、世界から遅れているだけでなく、東京電力福一原発の事故から何も学ぼうとしない姿勢にしか見えません。
2018年5月17日付 しんぶん赤旗

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