高齢者人口がピークを迎える2040年頃に自治体が抱える行政課題や、その対応策を検討している総務省の「自治体戦略2040構想研究会」は4月26日第一次報告書をまとめ、野田聖子総務相に提出しました。
日本の総人口は2008年の1 億2,808万人をピークに減少し始め、人口減少のスピードは加速し、国立社会保障・人口問題研究所の出生中位・死亡中位推計(平成 29年推計)によれば、2040年には1億1,092 万人に減少すると試算されています。その頃には毎年90万人程度減少すると見込まれています。
出生数は、ついに年間 100 万人を下回りました。団塊世代(1947~49年生まれ)が生まれた頃は毎年260万人以上、団塊ジュニア世代(1971~74年生まれ)の頃には毎年200 万人以上の出生数でした。しかし、団塊ジュニア世代に続く第3次ベビーブームは現れませんでした。2017年には出生数94万人まで減少し、2040年には74万人程度にな ると見込まれています。
高齢化は、三大都市圏を中心に急速に進行します。2015年に3,387万人であった高齢者人口(65歳以上)は、団塊ジュニア世代が全て高齢者となる2042年に3,935万人(高齢化率 36.1%)でピークを迎える見込みとなっています。75歳以上人口はその後 も2054 年まで増加し続ける見込みです。
報告書は2040年ころにかけて東京・大阪・名古屋を中心とする三大都市圏は急激な高齢化局面に突入するとし、特に東京圏では膨大な医療・介護サービスが必要となり、地方から若者の流入が増えるおそれがあると指摘しています。その一方、中山間地では集落機能維持が困難となるような低密度化が発生するとしています。そのため個々の市町村が行政のフルセット主義を排し、自治体間で連携する必要性を強調しています。
また、人口減少が先行して進んできた県では、県が市町村と一体に施策を展開する動きが起きていることに触れ、都道府県・市町村の二層制を柔軟化し、それぞれの地域に応じた行政の共通基盤の構築を進めていくことも必要となると述べています。
2018年5月1日付 しんぶん赤旗 |
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