2018年6月8日金曜日

セシウムボール

2018年6月3日付 しんぶん赤旗

 九州大学の宇都宮聡准教授らの研究チームが東京電力福一原発事故で飛散した高濃度放射性セシウム含有微粒子(セシウムボール)が環境中にどれだけ存在するかを分析できる簡易定量法の開発に成功したらしい。
hい形態と、溶けにくいガラス質のセシウムボールの二種類があり、この分別のため、放射性物質を可視化する「オートラジオグラフィー」という手法を用いて粒子の大きさや放射能を分析し、判別方法を確立した。

 実際に福島の土壌で測定したところ、土壌の放射能の8~38%がセシウムボールによること、セシウムボールが最大で土壌1g当り1,020個存在することが分かった。今後、様々な環境での分布状況や、除染土の汚染状況、自然界での移行挙動を調べるのに役立つのではないかと期待されている。

 原発事故による放射能汚染は、まだまだ解決の道筋も見えない深刻な状態にあるにもかかわらず、放射能汚染の除染で集めた汚染土の再利用が決まったという信じがたいニュースが飛び込んで来たり、実際に放射能に汚染されているのにもかかわらず、風評被害だと大きな声をあげる人がいたり、放射能被害を過小に、あるいはむしろ積極的になかったかのように評価する向きがある中で、セシウムボールの定量検査が簡単にできるようになるのは良いことだ。是非とも、積極的に活用して、放射能汚染しているものは汚染しているものとして、正しく取り扱うためのツールとして役立ってほしいと思う。

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