2018年6月6日付 しんぶん赤旗 |
原子力規制委員会は12月27日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所6、7号機(新潟県)の安全審査の合格証にあたる「審査書」を正式決定しました。東電福島第1原発事故後に定められた新規制基準に、東電の原発が合格したのは初めてのことです。また、福島第1原発と同じ沸騰水型の合格も震災後初となります。
再稼働には地元同意などの手続きが残っており、まさに今、新潟県知事選挙が闘われているが、この結果によっては再稼働を許すことになってしまうわけです。
ところが、今年2月になって、東京電力は、6、7号機の重要施設であるフィルターベントの基礎やガスタービン発電機の基礎、さらに原子炉の冷却水のための水を取り込む取水路が地震時の液状化で損傷する可能性があるとして、補強工事を行う方針を発表しました。特に、フィルターベントは重大事故が起きた時に、原子炉格納容器の圧力を逃がすための設備で、機能を失えば深刻な事態につながります(下図参照)。
出典:原子力規制委員会 |
原子力規制委員会の更田委員長は、5月の定例会見で「許可前の審査会合の資料ですでに液状化については触れられ、液状化の可能性があれば対策を取ります、とある。」と述べ、許可後にわかったことではないと説明し、問題はないとしています。
しかし、それで良いのでしょうか?再稼働を認める判断として、フィルターベントの基礎が地震による液状化で問題が生ずる可能性があることを知っていて、安全審査に合格を出しているわけです。これでは杜撰な審査だと批判されても仕方ないでしょう。
フィルターベントが機能しないと深刻な事故につながることは、福島第一原発で経験済みなわけですから、同じ過ちにつながる可能性があることを把握した以上、いったん安全審査に合格とした判断を撤回し、少なくとも、液状化対策が済んで問題ないことが確認できるまで、安全という判断をするべきではありません。
そもそも原子力発電所の再稼働ありきの安全審査となっていることが問題です。安全審査に合格を出すのならば、専門家や住民から疑問や批判が出ない程度にまで詳細に検討するという姿勢を見せなければ、再稼働反対の意見もある中での原発の再稼働は、そう簡単なことではないはずです。
だからこそ、今争われている新潟県知事選挙で、きっぱりと原子力発電所の再稼働に反対する池田ちかこ候補に頑張ってもらわないといけません。
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