今、年金制度改革が国会審議の中心テーマの一つになっている。
年金って、個人の暮らしにとっては、定年後の唯一の財源ですよね。高額な退職金をもらって辞めた人にとってはそうではないかもしれないけれど、普通の人は退職したってそんなに大きな退職金をもらうわけではないですから、多くは、年金が唯一の暮らしの財源となっているわけです。
「気になる年金受給額」という頁を見つけたのでリンクをはっておくけど、これみると国民年金で満額もらえる人で65,008円となってます。これを更に下げようと言う議論がされているわけですが、「おかしいんちゃうか」と思わざるを得ないわけですよ。
何故か?標準生計費というのを岡山県・岡山市で試算しています。これは「平成21年の『全国消費実態調査』(総務省)等により、平成25年4
月の費目別標準生計費をもとに算定」したとされているんだけど、これを見ると一人暮らしで月169,850円生計費が必要ですよと言っているわけです。国民年金の満額と比べると10万円以上も差があるんですね。
私が言いたいのは、実際に、岡山市で暮らしていくのに、これくらいかかってますよという標準生計費とこんなに差がある国民年金の水準を認めていいのかということです。国民年金だけをもらっている人が約3千万人、厚生年金をもらっている人が約15百万人で、年金受給者の6割以上は国民年金のみなんですね。平均受給額を見ると約5万円、その年金額で、憲法25条の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」が保障されるのですか!?とお聴きしたいです。
国会議員の報酬を見ると、衆参両院議長が月歳費218万円、国会議員で130万円と出ています。国際的にも最も高い報酬をもらっているのが日本だという話も聴きますが、自分たちは世界最高水準の報酬を手にしながら、標準生計費にも満たないわずか月65千円の国民年金を更に削ろうという議論をしているんですね。当然、この年金では暮らしていけないので、働いたり、資産を処分したり、仕送りをしてもらったり、それができなければ生活保護を受給することになり、65歳以上の高齢者の保護率は2.76%と年々少しずつ増加しているわけです。
高度経済成長期を支え、バブル経済を乗り切って、今の社会の礎を作ってきた高齢者に敬意を表すどころかそのわずかな年金からわずかな金をむしり取っていこうとする・・年金改革は、そんな高齢者いじめにしか見えないんですよね。今の「年金制度の見直し論議は、憲法違反だ!」と私は主張しますよ。
それからね、今、年金制度を改革しないと年金制度が持続できない。だから世代間の公平を確保し、将来世代の基礎年金の水準を確保する観点から、賃金が名目でも実質でも下がった場合に賃金の変化に会わせて年金額を改定(引き下げ)するよう見直しを行うのだと説明していますが、私は、そうではなくて年金の運用を担当するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、「基本ポートフォリオ(資産構成)は国債60%、日本株12%、外国債11%、外国株12%」から「日本株25%、外国株25%にまで高め、国債を35%まで下げる」ことにした結果、マスコミでも取り上げられたように21兆円ともいわれる運用損失を出してしまった。その損失を自分の責任は棚上げにして、年金受給者に負担を転嫁しようとしているってことなんじゃないのかなぁ・・と思えるんです。もちろんこの資産構成の変更はアベノミクスが打ち出した2013年の「日本再興戦略」があって、そこに「日本経済への貢献」という観点から「公的・準公的資金の運用等の在り方の検討」が盛り込まれたことに端を発するわけだから、ようするに安倍首相が決めたことですよ。その結果株式の運用損で年金財源が何兆円という単位で消えていったんですよね。
その背景にはさ、アベノミクスが成功したように見せるために、株高を演出する必要があった。だから、GPIFに株を買わせて、株が値上がりしたように見せたかったというような事情があったんでしょう。日本経済が成長しているように見せようとしてもさ、実体経済がともなわないのに、見せかけだけの株高を演出したって意味がないのにね。なんという浅はかなアイデアなんでしょう・・私にはそんな風にしか見えないんだけど・・
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