私は、人並みに、インスタグラム、フェイスブック、ツイッターなどのSNSを利用している。今日やったことから、政治的な発言までそれこそ雑多な情報を書き込んでいる。昨年の衆議院議員選挙の時など、SNSの書き込みだけ見ていると、まるで政権交代が実現するかのような気分に浸っていた。しかし、ふたを開けてみれば、またもや自民党の圧勝である。そして、その後は、何とか野党共闘に成果があったかのように見せたい様々な書き込みを読んだ。
でもね、負けは負けですよ。自民党に過半数とられてしまったんだから。そもそも二大政党制にするのだとかいいながら小選挙区制を導入された時点で将来が決まってしまった。与党が圧倒的に有利なんですよ。個よりも集団を優先する国民性、長いものには巻かれろ的な日本人的感覚がそうさせるのですよ。2割ほどの得票で過半数の議席を占めるわけだから、自民党からすればこの選挙制度はやめられない。現状を打開するためには今の選挙制度の下で政権交代を成し遂げなければならないわけですが、その難しさを痛感した選挙だったのではないでしょうかね。
私は、今回の選挙では野党統一候補に投票しましたよ。何とかなるのではないかと本気で思ったから・・・。私の選挙区では津村さんでしたが、負けちゃいました。一度、津村さんの演説を聞きに行きましたが、私、これは勝てないなと思いました。なぜかといえば、保守が強い、自民党が強い岡山で(それは全国どこでも似たようなもんなんですけどね・・・)、自民党支持者に気を使ったのか、自民党の政策を評価する場面があったんですね。でもね、それならば津村さんじゃなくて、自民党でいいじゃないかとなるんですよ。ぼろくそにこき下ろすのはいかがなものかとは思いますが、ちゃんと正面から自民党のやってきたことを国民の目線で評価し、批判されるべき問題を抉り出して、自民党の山下さんとの違いを鮮明にするような街頭演説にするべきだったんです。そうすれば津村さんの良さが際立ったと思うんです。あの津村さんの演説では、山下さんとの違いが良くわからない。ならば山下さんに投票しておこうかということになってしまうわけです。私が選対メンバーに入っていたなら、街頭演説の原稿に手を入れたのは間違いありません。
それぞれ負けた要因は地域ごとに違うとは思いますが、今回の選挙、勝てる可能性があっただけに、残念な選挙戦にしてしまったなぁというのが私の印象でした。
話は元に戻ってSNSの話ですが、ツイッターにしろフェイスブックにしろ、同じような価値観の人をフォローし、友達になっているので、その間では、まるで政権交代が確実に起こるような意見の交換が行われるわけです。言いたいことを言って、「良いね」ってしてもらって良い気分なわけです。でもそこはバーチャルな世界であって、現実の私たちが生きて活動している社会ではない。何となく精神的な満足感に浸ってしまうので、開票結果を見たときのギャップの大きさに驚くわけです。いい加減にこういうの止めないといけないと思うんですね。
私自身も、インターネット時代の選挙の在り方云々といった議論にのってしまって、ネットで一生懸命つぶやきました。でももう止めます。私は、私の活動しているフィールド(社会福祉の現場)で、国民の利益のために働き、利用者の権利を守ることにこだわって、行政に働きかけ、対応できるサービスが無ければ仕事をおこしたりしながら、権利としての社会福祉を守り発展させていく努力を続ける・・・それしかないなというのが結論です。もちろん政治を動かすことも必要なわけだけど、与党だとか野党だとかではなく、この問題を解決してくれる政治家は誰なのかというスタンスで動いていこうと思っているんです。それが自民党の政治家でも良いじゃないかという考え方です。そうやって現実にある福祉課題を政治の仕組みも整備しながら解決していく・・・それが私の今考える世の中の作り方です。
政治は政治家にまかせる。政治家は上手く使う。自民党の政治家でも、国民の立場で活躍してくれる政治家に育てる。そんな視点が必要なのでしょうね。